ライブウォーカー バンドマンに捧げる不定期コラム

本日をもって解散します<解散二回目>

『THE・金の問題』

 

前回の『音楽性の違い』に続いて、今回もバンドの解散理由についてお話したいと思います。今回の解散テーマ(?)は、すばり、THE・金の問題。

 

趣味の範囲なら「遊びのお金」として割り切れるんですけどね。プロを目指すととなると、その活動費用や収入も現実的な問題となってきます。

 

でも、実際、バンド活動ってすっごいコストがかかるものなのですよ。

 

楽器を買うのもお金がいるし、スタジオ代だって必要。ライブの日に仕事を減らしたら、その日の分の生活費も必要。生きるだけでお金っていうのは必要なのね。

 

でも、音楽やアートの界隈って、お金の話をすると、めっぽう嫌がる人もいらっしゃいます。お金の話をしようものなら、「お金じゃない!」「お金はいらない!」と反論される現場も多数存在します。

 

お金に困窮し、お金を必要し、売れっ子になってお金が欲しいと思っているのに、なぜかお金の話を避けて通ろうとするバンドマンが非常に多い。

 

 

お金なんていらない、などと言うならば、物々交換や自給自足の時代まで遡るしかない。中には「それこそが理想だ!」という超自然主義な(変な)人もいらっしゃいますが、そういう人に限って、ギャラに対する不満なんかで争いが起きるのはお約束。つーか、自給自足も土地代かかるしね…。

 

もちろん、収入格差はあるし、経済というのは必ずしも平等ではないです。それでも、安心してください! バンドマンの99.9%は、それら経済に影響する市場には関わっておりませんよ!

 

むしろ、バンドマンはもっと積極的に稼いで、心も生活も豊かにして素敵な音楽をたくさん作り、多くの人を幸せにするほうが自分にも社会にも優しい。だから、音楽で稼ぐってことは健全なことなのです。

 

 

でもねえ、「ビジネスを絡めたら音楽じゃない! 」とか「熱い気持ち以外は不純だ!」など、運よく成功したミュージシャンの中二病的な発言や、ビジネス的な体裁として言っているミュージシャンの発言を真に受けちゃって、意図的にお金を稼ごうとすることは格好悪いことだと思っちゃってるバンドが爆発的に増えちゃった。

 

もっと正確にいうなら、音楽だけやっていれば、お金は外部の人が持って来てくれるものと思ってるバンドマンがほとんど。

 

都合の悪いことは人まかせにして儲けたいという超矛盾思考が、ウイルスのようにバンドマンの心を蝕んでいるのです。

 

 

結局、どんなに好きなことをやってても、やりたくないこと、面倒くさいことってのは出てきます。そこをスルーしちゃうバンドマンの音楽に、一体どれだけの人が共感できるというだろう

 

皮肉にも、偉大なミュージシャン達の言動が、売れないミュージシャン達を、さらなる窮地に追い込んでしまったのです。

 

このように、生きるだけでも必要なお金というものを、これといった具体策もないまま闇雲なバンド活動で消費し続けることで、ついには己の精神を追いつめていきます。

 

なんだかんだ稼ごうと思ってるバンドマンが大半ですから、この最悪の経済効率が、サブリミナル的にバンドの人間関係をも崩壊させてゆくのです。

 

 

と言っても、全てのバンドが貧乏なわけでもありませんし、中堅バンドくらいになれば、ある程度お金も入ってきたりします。それでも解散するバンドは後を絶ちません。

 

これ、ぶっちゃけちゃうと『バンド内の収入格差』が原因でもあります。これがまあ、法律やらなんやらを含んだ面倒くさいやつでして、このおかげで、バンド内でも不満や傲りが大爆発します。

 

では次回は、『バンド内の収入格差』について解説いたしましょう!

 

<<次へ進む>>

バンド内の収入格差

 

コラムトップへ戻る

企画&ライター 浅井陽 - イラスト担当:こむじむ