本日をもって解散します<解散一回目>
『音楽性の違い』
はい出ました。もうこれ、至るとこでネタレベルとして扱われる解散理由ですよね。いや、全うな理由なんだけどさ、なぜかこの言葉を聞くと『バンドあるある』が脳裏をよぎるのは否めません。
そりゃねえ、メンバーが二人でもいたら音楽の好みなんか分かれて当り前。好みが一致してる方がまぐれ。
まあ、それでもバンドっていうのは、自分のエゴをぶつけまくる場所ですので、少しでも音楽性が違っていたら不具合が出るのも当然といえば当然です。それが、そのまま人間関係の悪化に至り、あえなく解散、というのがよくあるパターン。
結局、音楽性の違いというのは建前で、その後ろには「メンバーのあいつが気に食わねぇ!」っていう感情的な理由があったりするのがほとんど。
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生活のかかったビジネスだったら、嫌なことも我慢して乗り越えるか、はたまた早い段階で見切りをつけて辞めてしまうってこともありますが、これが、バンドという「趣味なのか、 ビジネスなのか?」その境界線が曖昧な代物ではそうはいきません。
これらの解散パターンに関して言わせてもらいます。
結局、バンド活動の目的が明確になってないからに他なりません!
お金にしたいメンバーもいれば、演奏や楽曲の評価を得たいメンバーもいるし、あくまで趣味でいたいメンバーもいる。こういう着地点が一致してないから不和が起こる。
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その中でも、最も駄目なパターンが「好きでやっていたいけど、ついでに金になったらいいなあ…」という発想のバンド。これね、間違いなく撃沈します。
なぜかって? もう言葉の通りよ。趣味であるはずの音楽活動の水面下に「あわよくば…」という欲がありすぎ。結局はプロ志望なんですよね。でも、プロになるという明確な決意がないもんだから、金にするための創意工夫はほとんどいたしません。
やることといえば、練習とライブと、ちょっとばかりの音源リリース。その他のことは「ビジネスマンじゃないからわからない」という理由で放り投げてます。そんなんだから、案の定、予想以上に世間の反応はありません。
やがて、「こんなに頑張ってるのに、なんで売れないんだろう? 音楽業界は間違ってる! リスナーの耳が悪い!」という発想に着地するのもお約束。己の甘さに気付かず、社会のせい、他人のせいにしちゃう。
結果、何年にも及んで理想と現実の深い溝にハマっちゃってます。
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そもそも、ホントに趣味というスタンスならば、スタジオの演奏だけで十分なはず。でも、ライブハウスでチケット代を貰って、音源を売って利益を狙っているなら、それらはプロ志望、プロの活動となんら変わりありません。
趣味だったら音楽性の違いなんかで揉めたりしませんからね。だって、音楽教室の発表会で、「メンバーの音楽性の違いにより発表会を辞退します!」なんて聞いたことないでしょ?
そういうこと。『音楽性の違いによる解散』って理由は、つまるところ、「俺(だけは)はこんなはずじゃない」という妄想の産物なのです。
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音楽性、関係ありません!
一つずつ取り組んでいけば、少なくとも今よりは確実に進めるはずなのに、エゴと惰性が混同されちゃって同じところをぐるぐるぐるぐる…。
そうやって、長年かけて培ったストレスと葛藤は、無意識ながらに立場の弱いメンバー、もしくはリーダーへと向けられ衝突、そして自然消滅…。これらが、このパターンのバンド解散セオリーです。
って、このままだと「じゃあ、結局バンド活動はビジネスなのかよ!?」って話になってしまいますが、それらは次回『THE・金の問題』でお話しましょう。
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THE・金の問題