ライブやろうぜ!ステージファイル Vol.68
- 新宿Zirco Tokyoについて
- 新宿歌舞伎町に2016年5月オープンしたベースオントップグループ9店鋪目のライブハウス。大編成バンドや多彩なパフォーマンスに対応するワイドステージと開放的な無柱フロア。最新鋭のPA・照明システムはもちろん、広い楽屋、完全分煙など快適さを追求した設計。洗練されたラウンジでは100種類を越えるドリンクメニューが楽しめる。「出演者の求める音やビジョンに精一杯応え、共にシーンを作り上げる」というモットーのもと、アーティストのハレの舞台を全力でサポート。
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新宿区歌舞伎町1丁目2-5 東陽ビルB2F
TEL:03-6278-9190
出演バンド、ブッキング・イベント募集中
ライブハウスの中の人に話を聞いてみた〜 新宿Zirco Tokyo編
このコーナーはライブハウスでバンドをサポートしてくれる「中の人」に突撃インタビューして色々お話を聞いてしまおうというコーナーです。中の人の皆様、ご協力ありがとうございました。

新宿Zirco Tokyo店長 浜崎良紀 氏
本日は新宿Zirco Tokyoマネージャーの浜崎良紀さんにお話をお伺いします。ベースオントップ系列店でもっとも新しいライブハウスです。まずは「株式会社ベースオントップ」の歴史について教えて頂けますか?
1981年に大阪府堺市の深井に「スタジオベースオントップ」をオープンしたのが始まりです。1985年からPA業務を開始し、1989年に法人登記しました。音楽スタジオ「BASS ON TOP」やPA業務、ライブハウス運営を中心に照明、映像など事業展開しています。
ライブハウスも関西を拠点に多数展開されています。オープンの時期を時系列でご紹介ください。
2002年にライブハウス1号店として尼崎Deepa、その後「北堀江club vijon」、2003年に「アメリカ村DROP」、2004年に「堺東Goith」、2008年にライブハウス東京進出1号店として「大塚Deepa」、翌2009年には「吉祥寺CLUB SEATA」をオープンしました。2012年に「心斎橋VARON(系列スタジオ:ベースオントップ心斎橋店併設)」、2013年に「梅田Zeela(系列スタジオ:ベースオントップ大阪 梅田店併設)」、そして当店、Zirco Tokyoが2016年5月にオープン、系列店で一番新しい店舗となります。(※尼崎Deepaは、同ビル内上階テナントによる工事のミスが原因で、惜しまれながら2016年6月にクローズ。)
浜崎さんが入られたのはいつ頃ですか?
2003年にアメリカ村DROPにバイトとして入ったのが最初ですね。入社2年目ごろから6年目までDROPで店長をして、その後、東京でSEATAの立ち上げを機に店長として上京し、2年前ぐらいからZirco Tokyo立ち上げのプロジェクトに店長として参加しています。
大阪と東京でライブハウスを運営してきて、東西の違いのようなものはありますか?
運営側としてとくに意識した違いはありませんが、お客さまの層や感覚というものは東西で個性がでてきますね。一概には言えませんが、大阪の方がワイワイガヤガヤとしたイベントが好きな方が多くて「みんなでがんばろうぜ」という全体的なムードを大切にしている方がおおいかなと。自分たちが多少犠牲になっても、会場が盛り上がるならよしとする印象があります。
さすが関西ですね。東京の方はどうでしょうか?
これは、いい意味で言うのですが、お仕事ベースというか、売れる音やイベントを前提に、そこに自分たちのやりたいことを持ち込んできている方たちが多いように思います。どちらが良いとか正しいというものではありません。どちらも正しいのではないかと。

大阪でも東京でも、出演者のビジョンに精一杯対応する
興味深いですね。そういった違いの背景は何だと思われますか?
やはり、東京は全国から上を目指して出てきているミュージシャンが多いからですかね。つながり云々の前に、アーティストとして売れること、成功することを第一に活動している人たちが多いと思います。もちろん、ミュージシャン同士、仲良くなったり、交流したりはありますが、大阪にあるような地域独特のグループ感が生まれるという雰囲気にはなりにくいかなと。
関西の方は地域性が色濃くあらわれるのですね。
それはありますね。出演者もお客さんも半分以上が地元出身だったり、大阪に長く住まわれている方あったりで、東京に比べればローカル色はあると思います。それゆえに、ミュージシャン同士にしっかりとした上下関係があることも多く、人のつながりの上にシーンが形成されているように思います。
ではZirco Tokyoについてお伺いします。東京では大塚、吉祥寺につづいてのオープンですが、「歌舞伎町」という土地柄、今までとはすこし勝手が違うのでは?
都心のド真ん中、新宿歌舞伎町への出店ということで、正直、立ち上げ前は見通しが立てにくい部分もあったのですが、弊社のライブハウスチームの根底的な考えとして、どの地域であれ、出演者のビジョンやスタイルに精一杯に対応し、来店されるお客様にも楽しんで頂いて、共にシーンを作り上げていくことをモットーに取り組んでいます。
それはすばらしいですね、音響設備、技術、対応への自信も感じられます。
はい、元々がPA業ですからね、そこは自信があります。これまで8店舗のライブハウスと外部PA活動で、音響チームのノウハウは存分に蓄積されています。言うなればZirco Tokyoは、その集大成といえます。まぁ、新店舗ごとに新たな集大成となっていくわけですけど(笑)。

Zircoはもちろん、ベースオントップ系列の箱はどこもハイレベルなBARラウンジを併設しています。クラブ的な営業もおこなっているのですか?
今のところ、Zircoでは遊興を取得しておりませんし、クラブ的な深夜営業はやっていません。DROPやSEATAなど、テクノ、ヒップホップ界隈の人たちが集まる土壌がある店舗では行っていますが、新宿歌舞伎町の夜がどういうものなのか、見えない部分もあったので、ひとまず置いています。目の前の通りもすでにハードボイルドですからね(笑)。
はい、ハードボイルドでカオス(笑)、音楽文化的にも際立ったエリアです。
そうですね。ここは駅から近いし、純粋にバンド活動的にすごく良い立地だと思います。ステージの形も良いですし、広くて快適ですよ。
ステージの横幅は広く、ホール内には縦の柱を作らない
ステージ設計には目を見張るものがありますね。なにより美しい。
ベースオントップの方針で「ホール内に縦の柱を絶対に作らない」という決まりがあります。club vijonだけはその方針ができる以前のオープンとなったので柱がありますが、それ以降にオープンしたハコでは柱を作っていません。
視界を遮るものがなく、開放的で自由度の高い空間です。
はい。さらにもう1つ、吉祥寺のCLUB SEATAの立ち上げで「ステージ横幅が広いと使いやすい」という発見がありまして、それ以降はステージ横尺の確保も徹底するように決めました。
幅広のステージは出演者にもお客さんにも評判が良いですね。
実際、横尺を大きく取ると300人入るキャパが250人になってしまうのですが、快適さを優先しています。それと、楽屋も広く取っていて、楽屋の快適さもアピールポイントにしています。

「今、仕事ないんです」と言ったら「明日から来て」と
浜崎さんがこの業界に入ってくる経緯について教えてください。
大阪で、今はなき「桜川スターダイナー(1994〜2007.3)」をホームグランドとしてバンド活動をしていました。バンド活動の後半、北堀江club vijonに出演しまして、当時そこのブッキング担当が、後にDROPの店長になる方だったんです。それがきっかけで、DROPのオープニングを観に行って・・・。
その流れでDROPに入った?
そうですね。すごくいい箱だなと思って、僕自身、バンドの解散に加え、バイトを辞めたタイミングという時期でして、「今、仕事ないんです」と言ったら、「だったら(DROPに)明日から来て」と言われました(笑)。
考える間もなく入社して…いや、させられていたわけですね(笑)。
もう、そのままの勢いでフロントやったり照明やったり、その後、まさか店長になるまで続けるとは思ってなかったです(笑)。
バンド活動も本格的に続けていく予定だった?
はい、とりあえず何か仕事をやりつつ、バンド活動をやれたら、と思っていましたが、実際、店長になってからはそれどころじゃなくて、今はライブハウス業に専念しています。それにしても、まさか歌舞伎町で働くことになるとは想像もつかなかったです(笑)。
しかも、東西を超えてライブハウス業専念状態ですからね。それでは最後になりますがZirco Tokyoからメッセージをお願いします。
出演者、お客さま、ご利用していただく全ての皆さまに快適にライブを観ていただけるよう全力を尽くしてお店を作っています。ぜひ快適なライブ空間を堪能していただければと思います。
本日は貴重なお話、ありがとうございました。次回はベースオントップ東京1号店の「大塚Deepa」を取材させて頂きます。
次回(Vol.69)大塚Deepa 編へ
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