ライブウォーカー バンドマンに捧げる不定期コラム

激録バンドマン密着24時!! 〜オレたちに明日はないSP〜

チケット一枚目からペイバックせよ

前回は音楽業界のヤバイ現状をお話しましたが、今回は、そんな現状を打破出来うる唯一の存在「バンドマン」の育成アイデアについてお話しましょう。

 

その手段とは、タイトルの通り「ライブハウスはチケット一枚目からペイバックせよ!」の一点。ライブハウスからは「うちを潰す気か!」と怒られてしまいそうですが、これは絶対の条件なんです。

 

脚注:通常はチケットノルマ20枚とすると、21枚目以降のチケット売上からバンドへの売上に還元(ペイバック)される。

 

ライブハウスとしては「数名の客すら呼べないバンドに未来はない、そんな努力もしないバンドにペイバックは出来ない」ってとこだと思うんです。正論です。ただ、ここで一言言わせて下さい…。

 

バンドマンをなめるんじゃねえ! いや、もっと正確に言わせてください…。

 

バンドマンの駄目っぷりをなめるんじゃねえ!!

 

ライブハウスのスタッフの皆様は、明日を夢見るバンドマンのため、それは凄まじい創意工夫をして下さっています。でもねえ、ホントにライブハウスの人達って甘いんだよね…。バンドマンがどれだけ先のことが見えてないか、全くわかってない! 

 

 

ただでさえ音楽離れが目立つこのご時世、ライブに20人、いや10人ですら呼ぶのは至難の業! だから、お客さんが来ないことを当たり前に思ってるバンドがほとんどです。当然「チケットでの収入(儲け)」というイメージも出来ていません。

 

彼らの脳内は(正体不明の何かしらを)頑張っていれば、そのうち沢山お客さんが来るにちがいない! という宝くじ思考にドップリと浸かっております。

 

 

ようするに、今現在のチケットバックのルールは、「売れないバンドマンに発破をかけられてない」のですよ。現実逃避と妄想が通常運転のバンドマンに何を言っても無駄!

 

だったら一枚目からペイバックしたもらったほうが、バンドマンにとっては収入の希望とイメージが湧きやる気も出る、というもの。

 

ちなみに私の知るパワードラマーさんは、20代の頃、事務所の社長から「今日のチケットのバック、300円あげる」と、雀の涙ほどのギャラ…、いや、ギャラという名の雀の涙を渡されると、「コーラが二本買える!」と小喜びしたそうです(おや、頬に汗が…)。

 

どこか悲しい話ですが…、目の真ん前に人参をぶら下げないと、はじめの一歩すら踏み出せないのがバンドマンの性(さが)なのです!

 

 

一枚目からのペイバックには別のメリットもあります。人数分のお金が入ることで「お客さん一人一人からチケット代を貰っている」という事実を実感できるのです。「お客さんが身銭を削って自分たちの音を聴きに来てくれている」という責任を実感できる。そりゃあ、失礼なライブ出来なくなりますよね。

 

チケット一枚目からのペイバックにより、「バンドにプロ意識が芽生える、浮わついた活動を減らせる」という最高の目標を覚醒させられるのです。

 

結果、早い段階で勝手にバンドが成長してくれます。おのずと集客や演奏能力も伸びていくはず。これって総括的に見たら、ライブハウスのためにもなってますし、ゆくゆくは音楽業界の活性化にもなるはずです。

 

ですから、せめて最初の一歩をライブハウスさんがエスコートしてやってほしいんですよ。対価とはどういうものなのかということを、早い段階でバンドマンに実感させてあげて欲しい。チケット一枚に付き300円戻すだけでいいんです。

 

その300円がバンドの魂に火をつけることとなるでしょう。その後は、お客さんが入ってから交渉すればいいじゃない? 結局、お客さんが来ないと誰も儲からないのだから。

 

 

次回は、バンド側へも一喝「バンドマンなら己の◯◯をさらせ」をお送りします。

 

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バンドマンなら…

 

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企画&ライター 浅井陽 - イラスト担当:こむじむ