激録バンドマン密着24時!! 〜オレたちに明日はないSP〜
音楽業界サラリーマン化を食い止めろ
さて、まずは音楽業界サラリーマン化現象についてです。『サラリーマン化』というのは、技術系ミュージシャンが、偉い人の言われた通りに演奏して稼ぐことを意味します。
いや、それ自体ちっとも悪いことじゃないですよ。たとえばクラシックの歴史ある名曲を忠実に再現できるのは、技術豊かな音楽の造詣に深い人たちがいてくれるからこそ。
ただし、このコラムではあくまでロック・ポピュラーミュージック。そんな不真面目な界隈の音楽(業界)が、いいなりのサラリーマン化したらおしまいだよな?って話。
極論を言ってしまいましょう。
イエスマンが奏でる音なんぞに『120%エゴ剥き出しのバンドサウンド』が負ける、なんてことがあってはならないのです!
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人々が音楽や芸術に求めるものって、非日常的な感動。エゴの塊ってやつかな。だけどね、サラリーマンミュージックにはそれがない! どうにもこうにもサラリとやっちゃうんだよね。口が上手いけど心のこもってない口説き文句みたいなもの。結局、恋愛ドラマの疑似体験などが出来るための音楽なんだよな。
企業やらなんやらが、「理想のライフスタイル」「イケてる考え方」ってのを多様なメディアで大宣伝。んで、そういった生き方の疑似体験ができる商品をバンバカ消費してくれるように仕向けます。
ファッションだったり自己啓発だったりブライダル関連だったり、それはもういろいろあります。んで、サラリーマン化した音楽ってのも、もれなくそういう商品の中の一つでございます。
リスナーの皆様は、音楽そのものに感動しているのではなく、自分のシチュエーションに酔えるツールとして使ってるだけ。誰もがドラマの主人公になれる不思議な呪文とでもいいましょうか?
♪寂しくて切ない日々、そんな時にキミがいてくれた…、キミがいるだけでいい。ああ、みんなに感謝したい(そんな自分に酔えるって快感)…♪
とまあ、だいたいこんな感じじゃないかな?(1曲出来ちゃったよ)
商売としては間違っていません。でも、バンドマンの音楽ってのは、そのくさくさした感傷ってのを一秒でぶっ壊し、私生活のしがらみと決別できるほどの世界観をもっている。それが感動ということだ!
しかし一体どうしたバンドマン!?
音楽業界がこんなにも嘆かわしい状況だというのに、お前たちときたら、目の前のノルマや金回りの悪さに振り回されては、やることなすことズッコケまくり!
ズッコケてることにも無自覚で、シコシコと曲を作ってはライブして、ライブが終われば、SNSで「ありがとう!最高の時間!最高の面子!全てが最高!!」と、お決まりのパターン。
おいおい、思い切り内輪の目線しか意識していないじゃないか! ああ、まったくエゴのかけらもない(怒)。そもそも「全てが最高」ならお客さんもっと来てるっての!
バンドマンが社交辞令を使ってどうする!
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中途半端なバンドサウンドを聴くくらいなら、完成された商業サウンドを聴いてる方が楽しいというのは至極当たり前。中途半端な創作料理を食べるくらいなら大戸屋の定食でも食べますからね。創作料理系居酒屋の仲間アピールと料理の失敗率の高さといったらもう…、おっと。
とまあ、こんな調子でバンドマンが育たない間に、スタジオミュージシャン達がレーベルやらの仕事を占領。レーベルにとっても、文句を言わずに平均点よりやや上くらいのサウンドを出す人間の方が扱いやすい。
結果、熱量の足りない者同士の音楽ばかりが量産されます。これが音楽業界の現状なのです!
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次回は、音楽業界のサラリーマン化を防ぎ、バンドマンのプロ意識を目覚めさせるアイデアをお送りします。
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チケット一枚目から…