ライブウォーカー バンドマンに捧げる不定期コラム

<秋だ一番!音楽映画祭り>2013年アメリカ

『メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー』50点

 

はい、今週は三本目の評論です。今週は、筆者が神と崇めるバンド『メタリカ』の映画。TSUTAYAに電話をして取り置きを懇願するもあっさりと断られる、というやりとりを繰り広げたほど観たかった作品。にも、関わらず50点! 

 

 

まずは、公式トレーラーをみてください。炎上、暴走する街、超ド派手なストーリーが展開する『映画』の予告に期待感MAX。しかし、蓋を開ければ、映画が進むにつれてガッカリフラグがキュンキュンに立ってきます。なぜかって?

 

映画部分のストーリーが極端に少ない。

 

メタリカのライブスタッフになったファンの少年がパシリとして街にお使い行く。外に出てみると街の様相がどうもおかしいぞ…。とまあ、何が起こるかわからないドキドキ感を醸し出していたのですが…。

 

なぜか、その後、ストーリーがほとんど展開しません!

 

9割方がメタリカのライブ映像。途中、ちょいちょい曲に絡めたストーリーが出てきてきますが、これがあまりにも断片的でもどかしい。

 

しかも、その僅かすぎるストーリーが、ものすんげえ雑!

 

曲とストーリーを無理やり結び付けるもんだから、全くもってお話が成り立ってません。『ジョジョの奇妙なドラえもん!春のお笑い祭りは恋のアニマルプラネット〜おしゃべりクッキング編』ってくらい意味わかりません。いや、ほんとにこれくらいの意味不明な内容なんです!

 

 

 

さらに言わせてもらうなら、キン肉マンで悪魔将軍に必殺技を掛けられているジェロニモさんを心配するリングサイドにも、なぜかジェロニモさんがいるくらい意味不明な内容なんです。

 

 

しかも、そのわずかなストーリー部分、意味がわからない上に未完ですからね! 少年漫画の週間連載が10回で打ち切られ、未完のままラストのコマで『両親の仇!』のセリフ、そして編集部の『○○先生の次回作にご期待下さい』のキャッチが書き捨てられるのと同じくらいの消化不良感です。

 

 

このラストのカットの兄さん、主人公ですら無い

 

 

しかし! この「スルー・ザ・ネヴァー」、ライブ映像作品としてはもの凄くクオリティーが高い。ステージや演出は超一流。まるでディ○ニーランドにいるかのようなエンターテインメント感。これだけでも見る価値あり。ん? だったら最初からストーリーはいらないんじゃないか?

 

これ、映画というより、すげー長いPVなんじゃないかね? そう思えば納得できなくもないが…。ああ…、愛するメタリカ様に対してなんという暴言の数々…。

 

メタリカ様を愛するが故、もうこれ以上この作品に対してシラフで向き合う事は出来ません。ここからは、ちょっと呑みながら書いてもよろしいでしょうか?

 

 

〜約一時間経過〜

 

ふ〜…。ええ〜、皆様ご存知の通り、音楽の世界はメタリカ様を頂点としたピラミッド構造で成り立ってます。(←信じない人は黒服に気を付けよう)

 

フリーメイソン、イルミナティー…、そんな秘密結社の音楽部門の頂点がメタリカ様であるという事実。そして、努力や才能などを超越した生命の法則の存在。越えられない壁というやつです。『上から読んでも下から読んでもメタリカ』ということわざを道徳の授業でもならったはず。

 

 

〜二杯目突入〜

 

要するに、資本主義の頂点に立ち、その有り余る財力で最高のスタッフを集めた結果がコレなわけじゃない!? ライブの演出、圧倒的な映像美、その全てのクオリティーが高すぎた故の自爆…。

 

いや、これはひょっとすると、資本力だけではどうにもならない事もあるのだと教えてくれたのだろうか? だとすれば身体を張ったロック作品だよなぁ…、といっても…。

 

やっぱり心がモヤモヤする〜。

 

こうなったら今日はこのまま酒を飲み明かそう。実際、このコラム書いてる場所もハードロックカフェですから。もうヤケ酒です。さて、焼酎をおかわりしましょう。

 

マスター! マスター!焼酎プリーズ…

 

お後がよろしいようで…。

 

 

続いて、21世紀を代表するスーパースターのあの映画をレビューします。

 

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企画&ライター 浅井陽 - イラスト担当:こむじむ