ライブウォーカー バンドマンに捧げる不定期コラム

<秋だ一番!音楽映画祭り>2009年アメリカ

『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』60点

 

はい、今週は四本目の評論です。今週は、マイケル・ジャクソンの遺作『THIS IS IT』です。ワタクシもマイケル・ジャクソンで育ったようなものですから、絶対に観なければなりません。

 

 

この映画、事前知識なしに観ました。冒頭はリハーサル、続いてリハーサル、まだまだリハーサル、いつになってもリハーサル。「一体いつになったら本編が始まるのか?」 と思っていたらリハーサルのまま終了。(←あくまでイメージです)

 

なんじゃこりゃあ!

 

これは、ステージ裏物語だったのかー。いや、ワタクシ、リハーサルとか裏方のシーンも好きだから、良いっちゃあ良いんだけど。

 

唯一印象的だったシーンは、キーボードの人に「この曲は星空の下でうんたからかんたら…」と幻想的な指示をするピュアなマイケルと「マイケルさん、抽象的すぎてよくわかんねーやー」って空気を醸し出しまくってるキーボードの人。

 

これを観ましたワタクシは…。

 

『一流エンタテイナーのバックバンドをやるには、イメージ言語にも精通してないといけないんだなあ』と深く思ったのでした。

 

とはいえ、やっぱりスーパースターのマイケル。彼がダンサーに話しかけるだけで絵になります。ダンサーもマイケルに近づけるとあってヤル気満々、緊張感ムンムン。多くのダンサーの人生を左右する瞬間というのを目撃します。(←別の映画だったかも…)

 

これを観ましたワタクシは…。

 

『こんな緊張するなら一流とは一緒にやりたくねー。きっとストレスでギャラの数倍浪費するわー』と深く思ったのでした。

 

 

 

 

あのねえ…、正直言って良いすか?

 

ワタクシ、三回も観たのに、この映画全く覚えてないのですよ。マイケルの神がかったスター性ゆえに60点だけど、これがMCハマーとかだったら2点だと思う(観るけど)。

 

なので、この際、マイケルの他の番組の話で印象的だったものを紹介しちゃいます。

 

 

マイケル・ジャクソンの代名詞ともいえる『ムーン・ウォーク』ってあるじゃないですか?あれは、「スラム街の少年に教わった」というエピソードは有名ですが、「実は、そこら辺が微妙に違ってました」という番組がやっていたのです。

 

「ムーン・ウォークをマイケルに教えた」というダンサー本人が出てきた番組でしたが、どうやらムーン・ウォーク伝授の経緯は以下の感じだそうです。

 

 

売れない新人としてダンスオーディションに出たジェフリー・ダニエルさん。オーディションで、誰も観たことがないステップ『ムーン・ウォーク』を披露。大いに盛り上がる会場。

 

すると、ジェフリーさんのもとに一本の電話。電話の相手はまさかのマイケル・ジャクソン。「あのダンス教えて〜」とのことで、早速マイケルの豪邸に呼ばれ、喜んでムーン・ウォーク教えるジェフリーさん。習得に苦戦したようですが、さすがマイケル、完璧にマスター。

 

 

ここで第一の事件勃発。

 

世界のスーパースターマイケルがジェフリーさんに支払ったギャラは、

 

たったの1,000ドルほど。

 

まあ、当時は新人ダンサーだったジェフリーさんにとっては嬉しかった金額かもしれませんが…。しばらくムーン・ウォークを披露することはなかったマイケル。しかし数年後『モータウン25』というビッグイベントで突然のムーン・ウォーク! 会場は興奮の坩堝!

 

 

その後、ムーン・ウォークはマイケルの代名詞となり、ステージで連発。晩年に渡るまでビッグヒットを連発。

 

 

そして、第二の事件勃発。

 

いつのまにかムーン・ウォークは『スラム街の子に教わった』という設定になっておりました。マイケルの資産は大いに潤う一方、ジェフリーさんに『ムーン・ウォーク使用料』が一銭も入ってくることはありませんでした。

 

世界中を魅了したダンスのレッスン代が12万円ポッキリ($1=¥120)。マイケルさん、守銭奴すぎやで。

 

えー 以上の考察から『世紀のスーパースター、マイケル・ジャクソンは金にセコい』と学びました。あれ、THIS IS ITの話だったはずが…。 ま、いいか…。

 

 

 

 

次回はいよいよ最終回。伝説のマサラムービーをスペシャル版でレビュー。

 

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企画&ライター 浅井陽 - イラスト担当:こむじむ