<秋だ一番!音楽映画祭り>2014年アメリカ
『セッション』-20点
はい。今週は二本目の評論です。今週は、大ヒットの記憶も新しい『セッション』をチェック! えー、そして残念ながらマイナス点でございます。完全に敵が増えそうな点数で、早くも逃げ腰ですワタクシ。
いや、これねえ、観る前までは期待大だったんですよ。ワタクシ自身もドラマーをやってますし、しかも成長期の特訓と師弟関係みたいなやつだから、これは、「さぞかし共感と感動があるに違いない」と思ってたんですね。
でも、蓋をあけたらビックリ。まず主人公のガキ(ニーマン)が19才のくせに、ドラム歴20年のワタクシより数倍上手い状態で本編スタート。
いきなり共感できません!
しかも、すでに有名な音楽学校に入ってやがります。どんなに背伸びしても、巷のライブハウスで酒まみれになってるミュージシャンが到達できない域の設定。
んでもって、鬼講師“フレッチャー”のいる学校一のクラスに入ることが第一ステップだったりするんだけど、勿論そこもあっさりクリアー。(もうここで世界中の9割のミュージシャンが遠い目のはず。)
そこから、一流のジャズ・ドラマ―を目指して、ひたむきに努力する主人公と、軍隊方式よろしく怒号の声で罵倒する鬼講師の師弟物語が続きます。
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ああ、これもうあれだよ。こういう学校に行った人たちが、「俺もあれくらいやったよ〜。でも、これがあったから今の俺があるわけよ。やっぱりみんなにも厳しくしないとな」とか思いあがっちゃう図式が目に浮かびますわ。(YoAsaiの『友達をなくす偏見の持ち方』。君たちも明日からやってみよう。)
いや、もちろん一流になるって、こういう厳しさもあってこそ。厳しさも愛情の一部だと思います。
ただ、そこで興醒めしたのが鬼講師のこんな発言…。「チャーリーパーカーは、シンバルをなげられたのがトラウマで、それを期に一年後は偉大なミュージシャンに変貌した」とかそんなん。んで、この人も実際に主人公のニーマンくんに椅子を投げつけるのね。
こいつ、物真似じゃねえか!
自分の意志で厳しく指導してるんじゃなくて、偉人の伝説をまんま真似してるだけだったのよー! もうガッカリ。
スパルタ師弟物語なら『巨人の星』までハジけちゃえっての! 目に炎で、球消えちゃうとかそういうレベルでやってよ! 練習中は体中にギプスつけなさいよ!
どうにもこうにも優等生の枠から外れきれない。罵倒されまくって、頑張って悩みまくって彼女と別れてドラムを選ぶ…、まあ、ここらへんまではセオリー通り。
でも、あげくの果てに主人公も嫌味言うようになって、すぐに「どっちがすごいか」、「どっちが立派か」と言い出し、部屋の壁には『無能な奴はロックをやれ』という上から目線の格言を貼っちゃてる始末…。
んでもって、これも成長過程の一環かと思いきや、この後、主人公の性格は一切治りません!
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ひょっとして、これは技術と引き換えに人間として腐っていくお話だったのかな? それなら大いに成功な映画なのだが、どう解釈しても感動を狙っている感は否めない。
振り切ってないんだよ〜。
どうもこれ、アメリカの某有名音楽学校『ジュリアー○音楽院』の宣伝のような気がしてならない…。
そもそも、地獄の練習で血豆が破ける演出とかありますけど、結論から言わせてもらうと、血豆って練習量が足りなくて無理して叩いてる時に出来やすい代物なのさ!
だから、実はあいつ練習してませんぜ! そういや、鬼講師が満足するくらいのまともな演奏ができるのって、最後の最後に一回だけだもんなあ。
え〜…、以上の考察から、続編が出たら、主人公は「KISSみたいなロックバンドやってる」に5,000点!
そこで、最後にKISSのジーン・シモンズさんの名言を一つ。
『楽器はなんとか弾ける程度で良い!』
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続いて、あの世界最高峰モンスターロックバンドのバンド映画をレビューします。
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