実録!ヘルニア手術入院
Round 7 「轟音」〜入院生活、再び。〜
<前回までのあらすじ>
ヘルニア手術前の検査中に低髄液圧症候群を発症。7日間の自宅療養を経てなんとか回復し、五泊六日の入院スケジュールで再度ヘルニア手術に挑む。 (前回のコラムはこちら)
団体行動が苦手なワタクシ。入院の受付を済ませると早々に外出許可を申請。ゴールデンウィークというのもあってか夜21時までの外出許可をゲット。
入院生活の準備を済ませ我が家へチャリンコを走らせる(最初の入院と同じ病院で、自宅から約200mの近所にある)。清々しい天候と寛大な外出許可をもらいながら、ダラダラと漫画にテレビ鑑賞。1ミリの日光も浴びずに引きこもる。21時の門限3分前に病院へ戻ると、そのまま就寝時間。ってか、21時就寝って早すぎじゃね? 寺かよ!
もちろん眠れるはずもないので、この日も用法用量を守らない薬で寝落ち…。のはずが、なかなか眠れない。睡眠薬の耐性が付いてしまったのだろうか?
・・・・朝四時。
隣のベッドの凄まじいイビキで目が覚める。
睡眠薬の大量摂取でやっと眠りにつけたというのに…。「睡眠薬vs轟音イビキ」というこの状態。前回の入院の「浣腸vs便意」の絶対に負けられない戦いがフラッシュバック。
睡眠薬効きながら起こされるって、眠気が半端ないですぜ!
しかし目が覚めてしまったものはしょうがない。やさぐれながら自販機までコーヒーを買いに行きます。が、自販機にお金を入れたのにコーヒーが出てこねーし、お釣りも返ってコネー!
前回の入院時はルーレットで当たりまで引いたのに、今度は商品すら出て来ないって…。いや、まてよ、前回は低髄液圧症候群まで当たっちゃったからな。今回はむしろ縁起がいいのでは?
早朝の自販機の周りでひとり影を醸し出していましたところ、なんと、ワタクシの様子を一部始終見ていた用務員のおじさんがコーヒーをおごってくれました。
ううむ、やっぱり、これはなかなか幸先が良いのかもれない。やることがないとコーヒー一本でここまで考えます。
さて、この日の外出許可は午後の二時間のみ。買い出しをして、家に帰って食事やシャワーを浴びると、あっという間に二時間。そして病院に戻る時間になり、ふと思い出す。
「隣のイビキ、凄いんだった。」
明日は一番大事な手術の日。しっかりと睡眠をとって体力を温存しなければなりません。何が何でも十分な睡眠を取るための対策を練らねばならないのです。
経験上、睡眠薬の効き目を高めるには睡眠薬を酒で流しこむのが定石。当然、病院にアルコール類を持ち込むことはできない。しかし敵は睡眠薬を3倍服用していても叩き起こされるほどのイビキ。
そこで禁断の『カプセルにアルコールを注入してこっそり持参。睡眠薬と合わせて飲めば完璧じゃん!作戦』 の敢行を決意。
カプセルやスポイトなど作戦完遂のための小道具をかき集め「焼酎カプセル」を製造。あっという間にカプセル形お薬の出来上がりです。
妙な安心感と興奮を胸に病院へ戻り、就寝時間を待ちます。『さ、睡眠薬と焼酎カプセルを…』と、おもむろにタッパーを開けると…、カプセルが溶けてるー!
アルコール度数が高すぎた模様で、その形状は死にかけのスライムと化しておりました。しかも、タッパーを開けるやいなや強烈なアルコール臭。一人ベッドの上で慌てふたむき、直ちにスライム状の焼酎カプセルを飲み干し睡眠薬も倍々服用。
さて、いよいよ明日は手術の日。おやすみなさい。
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Round8「手術」