実録!ヘルニア手術入院
Round 4「芋虫」〜自宅療養はじまる〜
【免責事項】このコンテンツは医療情報の提供を目的としたコンテンツではありません。記載の治療、医療情報などは、筆者個人の調査、記憶によるものに対する感想であり、医療的な正確性や正当性については保証、関与いたしませんのでご了承ください。
<前回までのあらすじ>
椎間板ヘルニア手術のための造影剤脊髄注射により低髄液圧症候群を発症。不安とパニックでホームシックになり自宅療養を懇願。入院二日目にして一旦退院することとなる。(前回のコラムはこちら)
自宅療養初日。病院を退院し、帰宅直後から大量の鎮痛剤と睡眠導入剤で眠り続けるワタクシ。翌日、起床と同時に首と背中に痛みが走る。ほとんど改善されていない状況に落胆。
そして一つの油断が早々に悲劇を招きます。
トイレに行こうと立ち上がった瞬間に、頭から首、そして背中にかけて強烈な痛みが走る。脈をうつ度にリンパ管が破裂しそうなほど痛い。倒れ込むように頭を下げ四つん這いになった。
そうだった、低髄液圧症候群は寝た姿勢のままで安静にしていなければならないのだった。脳髄圧が低下してしまった以上、髄液漏れやズレた血管の位置が正常になるまで、脳に負担をかけてはいけないのだ。頭を起こしてはいけない。これが鉄則。
即座に鎮痛剤をラムネのように頬張る。(←用法用量を守る余裕ゼロ)
15分ほどすると痛みが和らいできたので、匍匐前進でトイレに向かう。便座に座りながらも、何としてでも頭をあげないようにと『思い切りのいいゴメンナサイの姿勢』で用を済ませる。そして、なんとなく申し訳ない気持ちで、芋虫のように布団へ戻る。
鎮痛剤のおかげで安心したせいか、少しばかりの空腹感を覚える。そういえば一日半ほど絶食状態だ。おもむろに、ちゃぶ台にあった「コロン」を口にする。
美・味・し・い(*´д`*)
満面の笑みで呟いてしまった。コロン一粒が超美味しい! あぁ、食べられるってホントに幸せなことなんですね。食べ物に一つ一つに感謝…(となればいいのだが、実際はねえ…)。
と、このように、芋虫状態にまで堕ちたワタクシ。先行きの見えぬ不安と己の立ち位置を自問自答しつづけ、自宅療養初日を終えるのでありました。
自宅療養二日目。早朝に目が覚める。前日より良くなっていることを期待する。
…が、寝ぼけた頭が災いを起こす。
またもや『頭を起こしてはいけない』という鉄則を忘れ、カーテンを開けようと真っ直ぐに立ち上がってしまう。即座に激しい頭痛と背中の痛みに襲われ、瞬時に布団に倒れ込み悶絶。「最低でも1〜2週間は安静に!」と言われているのに、なぜ連日にわたり立ち上がるのか?(真性のアホなのか?)
しかし、昨日と変わらないこの深刻な症状は、否応なしに不安な気持ちにさせてくれます。
40年近いワタクシの人生。
想い返せば、35才にもなろう頃まで遊び呆け、勤めていた会社が潰れて、その途端に彼女にフラれ、金もなくなり、家も失い、あまつさえ重度の椎間板ヘルニアを患う…というしっぺ返し、ドン底の時期もありました。
そこから、やっとの思いで這いあがり、この年になってようやく『モノを作りだす喜び』というものを噛みしめ始めた矢先のコレ!
やる気を胸に抱いて寝ているだけって、どういうことだよ(;`皿´)!
「最悪の事態」が頭をよぎる。が、気持ちが落ちることこそが最大の地獄。ひとまずはこの自宅療養日記のみを心の支えにしつつ、この日も用法用量を守らない薬で寝落ち。
痛みにもがくだけも癪なので、意固地になってSNSなんぞを見てやります。すると、入院時に書いておいたブログに対し、多くの励ましコメントが寄せられておりました。
ドラムを称えてくれる人、回復を祈ってくれる人、中には同じ症状を体験した人からの共感やアドバイスを頂いたり。普段、あれだけ失礼な接し方をしているワタクシに、かくも暖かいメッセージを頂けるだなんて、恐縮かつ感謝の気持ちしかありません。
一つ宣言したいのは、復活した際には、今まで通り失礼な人間に戻っていること受け合い。この性格は不治の病ですから! どんなに痛い目に合っても『全てに感謝』なんてセリフは言いませんからね!(てか、『全てに』って括りは雑すぎだろ(;`皿´)!)
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Round 5「食欲」