KAJUE日誌 -とある音楽雑誌の廃刊記- 第3号
新人くんのお仕事 〜Kの覚醒、快進撃〜
「音楽フリーペーパーKAJUE誌」を発行する株式会社Gメディア内に入社してきた新人K。理不尽すぎる条件下、どん底の営業成績。解雇宣言を待つのみだったKの覚醒、起死回生のお話をしようと思います。
ある日のこと、一本の電話が鳴る。電話をとる新人K。取材申請の電話のようだ。
アイス・サランユーとかいうタイ人(後のアジアンスター)が…
タイ人? 取材はタイ語!?
通訳いるから取材してみる。このままだとクビだし…
が、頑張ってね(俺、電話とらんでよかった!)
◆
後日、インタビューとライブレポートを終えた新人K。
タイ人の通訳の日本語が片言すぎて想像で記事を書いてしまった…。ライブに行ったら、満員なんだけど、8割がオカマのタイ人。 トイレに行くたびに体を触られるし、なに、この地獄!?
そ、それは災難だったね…(やべえ、腹痛い(笑)!)
このインターナショナル・ゲイレポートを皮切りに、Kの快(怪)進撃が始まる。以下、何点か挙げてみよう。
橋本ひろし
キョウデングループ会長。大手スーパー長崎屋、大江戸温泉物語などの買収、資本参加でビジネス業界にその名を知らしめたヤリ手。何を思ったか、突如ミュージシャンデビューを決意。
潤沢な資本力で、X-JAPANのプロデューサーを起用。ロッキング・オン・ジャパン誌とKAJUE誌へ掲載申請。KAJUEにいたっては表紙買取り希望。グランジの影響を存分にうけたであろうPVも作成済で当社へ持ち込む。
しかし、諸先輩たちは激高。それもそのはず、その号は、浅井健一、DIR EN GREYらビッグネームらが申請済であった回。いくらなんでも、まだ誰も知らないふくよかなおっさんが、雑誌の看板である表紙を飾るとはなにごとか!?
このジレンマに、プライドと現実が激突。しかし、KAJUE誌は売上額最優先。結局、表3(裏表紙の内側)で落ち着くが、これを期に、Kは先輩方の妬みの対象へ。
◆
サークルK&東京コミコン
サークルKプロデュースの(自称)ビジュアル系バンドが売り込みに来る。これにKが対応。これがまた色者。ドラムは明らかに高齢者、ギターはゲイで声が小さすぎてインタビューが聞きとれない。セクシー女優が色々となんたらするPV。プロダクションのその資本力により社内はまた大揉め。お金を運んで来ては妬まれるK。
しかし、Kはこの繋がりを維持。
10年ほどののち、アップル創業者の一人、スティーブ・ウォズニアックに辿り着き、毎年5万人規模の集客を誇る「東京コミコン」へと昇華する。
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経団連
音楽業界“周辺”でのKの立ち回りを耳にした当時の経団連の理事。「私の手掛けたアイドルをプロデュースしてくれ」と、いろいろと驚愕のオファー。しかし、ライブ毎に、理事が選挙の出馬表明のような前口上するため、これは難しいとプロデュースを辞退。
そのアイドルとは、中国の大手銀行の頭取の娘たちであり、これが、Kの現在の取引相手の一つ「中国政府」となるのである。
音楽業界周辺から、スケールもベクトルも違う仕事を持ち込んできたK、いつしか手の届かない遠い存在に…。と、なれば美談ですが、今は今とて、ワタクシと二人で、知人の性転換手術を目論んでいるのは、一部界隈で有名な話。
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