KAJUE日誌 -とある音楽雑誌の廃刊記- 第2号
テリトリー争い ~インターナショナル烏合の衆~
さて、次に、「音楽フリーペーパーKAJUE誌」を発行する株式会社Gメディアの内情を紹介します。かつての同僚たちがどう思うか末恐ろしいですが、ま、今はなき会社ですからね。
入社初日。後に、数々の因縁をつけてくださる事務のおばさまに連れられ皆様にご挨拶。この会社、半数ほどが外国人です。
いいですよね、様々な国の人たちが集まり、グローバルな視点で音楽業界を盛り上げていく。志が高くポジティブな現場…、なんて夢物語あるはずない!
国際交流は素晴らしいなんて、幻想です(おのぼりさんと同じ)。
それぞれの国に、優秀な人もウ○コみたいなやつもいるもの。国も人種も関係ない。 KAJUEの海外組をみてください。
14年間日本にいながら日本語がまったく上達しない、イギリス人社長・ジョナサン
軍人上がりの堅物、音楽業界の軽いノリについていけず脱落、アメリカ人元副社長・スミス
悲しきかなエリート、ライターのヒステリーに心を病み脱落、イギリス人副社長・ジェイ
日本語ペラペラ、関西弁すら流暢に話すも「イギリスにはミサイルが落ちればいい」と損得勘定で人間関係を計る、カナダ人課長・ダビデ
毎日が二日酔い、机の上はウコンの力で占められる、アル中カナダ人カメラマン・アンドリュー
挨拶は「ワサップ、メーン!」、ドレッドヘアのブラザー、会社には来ないがクラブには毎日通う、アメリカ人営業・クリス
これら面子の頂点に君臨しますは、社員の半分がその顔を見たことをない、南国住まいの、スイス人投資家・ユルゲン
「インターナショナル烏合の衆」ってやつだよ! こんなんザラにあることですから、ステレオタイプな情報に身を委ねてはいけませんよ!
ということで、諸外国人先輩たちは役に立ちません。仕事のしかたは日本人の先輩に聞くことに。
先輩A「○○レーベルと××レーベルは私の担当なので、アナタは先方に連絡しないように。他をあたってください」
先輩B「▲▲事務所と、□□レコードは私の担当。他をあたってください」
先輩C「☆☆ミュージックは私の…(以下略)」
日本人の先輩方、新人に教える気は全くなし(むしろ敵)!
それもそのはず。この会社の給与形態、
基本給 <<< 出来高
このブラック企業システムのおかげで、先輩方は己のテリトリーを守ることで必死。新人に営業テリトリーを分け与える余裕はないのです。
経費なんぞも雀の涙。タイアップ記事(インタビュー広告)は、自分で書くのが当り前。 毎月の締切では、営業成績と記事制作で追詰められ、精神を蝕まれていきます。
「歩く音がうるさい」、「呼吸がうるさい」とヒステリーを発症する者。ニコニコと笑顔を絶やさず気遣い上手、だがどうして毎月肥えていく者。成績トップをひた走るも、虚偽の売上げ申告がバレ、のちにバックれる者、などなど、日本人チームも相当に崩壊しております。
このようなアンチェイン&バーリトゥード状態で、ワタクシたち新人はどのように営業をかければいいのか?
こうしている間にも新人Kが入社。本来であれば、蹴落とさなければならない存在なのだが、この新人K、のちに旋風を巻き起こすこととなるのである。
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