ライブウォーカー バンドマンに捧げる不定期コラム

新装開店!CRバンドマン物語 〜ミュージシャンとギャンブル〜

『実話録(2)人生の瀬戸際リーチ』

 

[前回のコラムはこちら] 今回は、ミュージシャンがギャンブルの渦から抜け出せない惨状、そして、ワタクシなどまだまだ“四天王の中でも最弱”といっても過言ではない、真のギャンブラーCさんの姿に迫ってみましょう。

 

ギャンブルに溺れ、バンドを干されたワタクシは、毎日パチンコ屋に通うだけの人生の落伍者となりました。日に日に心は荒み、激熱リーチを外そうものなら、『店員を睨む』『遠隔操作を疑いカメラを睨む』『トイレのドアを蹴飛ばす』『トイレの個室で叫ぶ』…、それはもう人間のクズへと変貌していきました。

 

それでも、極まれに当たりなどすれば、大当たり中の曲が名曲に感じてしまい、『よし!こういう曲を作って皆様に感動してもらおう!一番最初に彼女に聴かせるんだ!(←痛すぎて書いてるこの瞬間がツラいぜ!)』などという、脳内夢想転生モードに突入。

 

いよいよもって、己に“人生の瀬戸際リーチ(魚群付き)”がかかるのでした。

 

 

それでもワタクシなどまだまだ可愛いもの。知り合いのドラマーCさんなどは、さらなるギャンブラーでございます。

 

芽の出ない音楽活動と、ライブなどのお祭り騒ぎの毎日により、どうにもこうにも心のギャップを埋められなくなったCさんは、いつしかギャンブルに手を染めるようになりました。日々のスタジオ代と、ギャンブルにより、当然の如くお金は減っていく一方です。

 

この事態を切り抜けるため、Cさんが考えた結果は…、楽器を売る。

 

はい、もう、大切なものの優先順位が思いっきり逆転しております!(ついでにワタクシの楽器もこっそり売られていた模様…)

 

いきなり楽器がなくなった様をメンバーが問い詰めると、『誰かに盗まれた』の一点張り。大手スタジオの倉庫からドラムセット丸々盗まれるとは信じがたい話ですが、この時は、周りもとりあえずは信じることにしたようです。

 

 

時は過ぎ、Cさんはバンドでツアーへ。ツアーのオフ日、メンバー達は観光しよう提案するも、Cさんはホテルに残ると言い別行動へ。

 

メンバー達が準備を整えホテルを出た矢先…、なんと、目の前のパチンコ屋に入るCさんの勇姿を目撃! これはさすがにバツが悪いということで、見なかったことにして出かけるメンバー達。

 

半日ほどしてホテルに帰ってきたメンバー達。Cさんの姿が見当たらないと周辺を探すと…、なんと、パチンコ店に居座り半狂乱状態のCさんの姿を目撃!

 

これまたバツが悪いという事で、見なかったことにしてその場を立ち去るメンバー達。その後、顔面蒼白でメンバーと合流するCさんですが、メンバーとの会話をよそに、コソコソと妹さんに電話しております。

 

この内容がメンバーの一人の耳に入ってきます。すると…、

 

『ごめん! 10万円貸して…(泣)!』

 

なんと、半日で10万円の負けが発覚!これを聞いたメンバー達は騒然。「10万円も何に使ったんだ!?(パチンコは知らない設定)」と問い詰めると、挙動不審のCさん曰く…、

 

『ええと…、家族にお土産を買いすぎてぇ…』

 

ええー!? 売れないバンドマンがお土産に10万円!? どんだけ家族好きなんだよ!

 

 

完全にバレバレな嘘をついてまでも、ギャンブルをしていないとシラを通す様は、後の『Cさん列伝』となり、今も尚、語り継がれていることは言うまでもない…。

 

とまあ、小博打ながらも残念なバンドマンの様子をお話しましたが、これら一連の例で何かお気づきなりませんか? 賢明な読者の皆さんなら、もうわかったはず。そう、ギャンブルにハマる人間の後ろには、彼らを支える女性の影が見えるのです!!

 

それでは次回、ミュージシャンとギャンブル最終章『天空に輝く死兆星!聖母 最後の将!』でお会いしましょう。

 

 

 

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天空に輝く死兆星!

 

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企画&ライター 浅井陽 - イラスト担当:こむじむ