ライブやろうぜ!ステージファイル Vol.56
- 下北沢VOICE FACTORYについて
- 音楽、演劇、多様なカルチャーが日常に溶け込む街「下北沢」西口にオープンして約27年。2016年1月より新体制となり、ライブハウス、音楽事務所・レーベルを連動させ、エンターテインメント要素をより前面に出した新しい試みを打ち出している「VOICE FACTORY」。とりわけガールズバンド向けの自主企画が熱く、ファンと一緒にイベントを作り、バンドとライブハウスが共同体となって好循環を生み出す『ホームグラウンド』となる。
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- VOICE FACTORY公式サイト
世田谷区代田5-19-4 下北沢 VOICE Bldg.
TEL:070-3991-4933
ブッキング・イベント企画募集中(詳細)
ライブハウスの中の人に話を聞いてみた〜 下北沢VOICE FACTORY編
このコーナーはライブハウスでバンドをサポートしてくれる「中の人」に突撃インタビューして色々お話を聞いてしまおうというコーナーです。中の人の皆様、ご協力ありがとうございました。

下北沢 VOICE FACTORY店長 新井礼央氏
本日は下北沢VOICE FACTORY店長の新井礼央さんにお話をお伺いします。まずは、お店オープン前後の経緯を教えていただけますか。
この店舗自体は1990年くらいからやっていますが、今のオーナーが買い取って現在の体制になったのが、1年前(2016年1月)で、僕も、そのオーナーとの繋がりで昨年11月に入ったんですよ。
ということは、まだ4ヶ月くらいということですね。オーナーさんがライブハウスを買った経緯などはわかりますか?
オーナーはVOICE MUSICという音楽事務所をやっていて、カブキロックスの氏神一番さんとも業務提携して、Risky MelodyやJiggy Jadeなどのガールズバンドをプロデュースしています。それで、バンドと共同体でライブハウスがあったら、新しい試みが出来るんじゃないか、と考えたのだと思います。
それは所属しているバンドにとっても魅力的ですね。ライブハウスとバンドが共同でイベントを企画する感じ?
たとえば、隔週でやっているRisky Melodyだけが出演する「リスメロクエスト」というイベントがあります。演奏しては、お客さんとお話をして、演奏して、という、ライブにトークライブを取り込んだような流れで、お客様と交流をじっくり深めていただいています。
通常のブッキングライブにはない、贅沢な時間の使い方ですね。
はい、普通のライブハウスだと時間制限などがあるので、難しいですよね。ここなら、時間が存分に取れますので、お客様との質疑応答なんかもやっていますよ。
レーベルでプロデュースしているバンドの魅力を最大限に引き出せるのですね。
はい、その通りです。プロデュースしているバンドの他にも、ガールズバンド向けの自主イベントはよく開催しています。イベントに参加してくれたいくつかのバンドと、東名阪ツアーに行ったり、コンピレーションアルバムを発売したり、バンドさんと一緒に士気を高めていくことを目指しています。
バンドにとっても活動拠点として心強いですね。他にも推しイベントがあれば教えてください。
一押しは「ドラムスポット」というイベントです。これは、ボーカルや他の楽器は一切なし、ドラムセットを前に持って来て音源だけ流してドラムプレイを披露します。基本はガールズドラマーのイベントなんですが、先日、あの「にゃんごすたー」さんがゲストで出てくれました。大盛況でしたね。
おお、今や大人気のにゃんごすたーが出演したとは!
このイベントは平日開催ですが、毎回多くのお客様がいらしてくれています。これからも、お客様にも演者さんにも楽しんでいただけるイベント作りをしていきたいですね。
今後、具体的にどのような方向を目指していますか?
この先も、エンタメの要素は強めに出していきたいと思っています。普通のライブハウスとは違う方向で攻めていきたい。

自分たちのホームグラウンドでお客様と共に一つのエンターテインメントを作っていく
他店との差別化というのはわかりますが、エンタメの方に注力するというのはなぜ?
僕自身が、バンド活動の他に、役者や演出もやっていたんですよ。オーナーも演劇業界が長くて、それが、エンターテインメント性を前面に出していくバックボーンになっています。
なるほど、そういうことだったのですね。「エンターテイメントの要素」とは、具体的にはどういう感じ?
イメージ的には、AKB劇場的なものも少しあります。自分たちのホームグラウンドで、お客様と共に一つのエンターテインメントを作っていくような。もちろん他のライブハウスやイベントにも出てもらって、また成長してここに戻ってきて新しいものが生まれて…という好循環を作りたい。
ファン贔屓のバンドから派生して、新人バンドも出てきそうですね。
はい、そのとおりで、実際に後輩バンドもどんどんデビューしています。先月も1組デビューしました。Risky Melodyのお客様が妹分のように一緒に応援してくれます。とにかく、見ている人を飽きさせないために、常日頃から変化していくことをモットーにしています。
なるほど、バンドとライブハウスが一緒にホームグラウンドを活用して好循環を作り出していくのですね。
はい、それが実現できれば自ずと「VOICE FACTORYのバンドと一緒にやってみたい!」と、演者様が集まってくると思います。見たとおり、あまり広い空間ではありませんが、勝手知ったる自分たちのライブハウスであることを生かして、自由かつ斬新な企画を考えていきます。
ライブハウスの進化系の一つかもしれませんね。ミュージシャンにも刺激になりますね。
もちろん、スタッフ全員ミュージシャンですので、初心者の弾き語りイベントの時などは、終演後に相談にのって、時にはダメ出しもしながら音楽面、演奏面でも応援していますよ。
中学生でお金が無くてカラオケにはいけないが、ギターが弾ければ思いきり歌えると思った
では続いて、新井さんと音楽の出会いについてお聞かせください。
音楽を意識したのは中学の頃ですね。歌いたいけど、中学生だからお金が無くてカラオケにはいけない。そんな時、うちに父のギターがあるのを思い出し、これ(ギター)が弾ければ、家や公園で思いきり歌えるぞと、それから一生懸命ギターを練習しました。
当時はどんな歌を歌いたかったのですか?
中学の時は尾崎豊さんなどを歌っていました。ブルーハーツも大好きだったのですが、中学校でバンドを組むのは、なかなか難しいことだったので。
ということは、バンドデビューは高校からですね?
はい。高校に入ってからすぐにパンクバンドを始めました。今思えば、ブルーハーツのパクリと言われても仕方がないくらいそっくりな曲をやっていた可能性もあります(笑)。
でも一応オリジナル曲をやっていたのですね?
はい、ライブではコピーの曲をやったことはないです。なので、高校生の時は、少しは人気があるバンドだったかもしれません。
メジャーデビュー目指して本格的に活動していたのですか?
19歳の時にデビューの話もあったのですが、よくある大人の事情で、事務所からメンバーを変えろ、的なことを言われまして…。
事務所のメンバー交代指令は儀式のように出てきますよね…。
ええ。若かったし、ずっと4人でやっていたものですから、事務所からメンバーを替えるように言われた、なんてメンバーにはとても言いだせなくて。やむを得ずシンプルに「話を断ってきた」と事後報告しました。そうしたら、その後どんどん変な雰囲気になってしまって、結局は解散に至りました。まあ、バンドデビューあるある話ですよね(苦笑)。

よくあることですが、毎度気の重い話です。その後はソロに転向ですか?
その後は1人旅に出ました(笑)。沖縄を歩いて、ヒッチハイクしたりしながら一周してきました。
ギターを持って?
いえ、その時は音楽を辞めて、他のことを探すつもりでいましたから。でも、沖縄は音楽文化が根付いている土地ですので、出会う人が三線を弾いてくれたり、歌ってくれたりして、そうしているうちに、やっぱり音楽が好きだと気付きまして、東京に帰るときには音楽をやろうと思っていました。
それで再び音楽の道へ戻ってきたのですね?
いえ、それが役者の道に行っちゃって(苦笑)。
ええ(笑)!? いや、でも共通点はありそうですね。役者は劇団系ですか?
今は自分の劇団がありますが、当時は芸能プロに入っていました。再現VTRなんかの仕事をしつつ、趣味でバンドを始めて、前述のRisky Melodyとの対バンがきっかけで、今のオーナーと出会いました。いろいろ話しているうちに実はオーナーも舞台の人間で、みたいな話になり、徐々に面倒を見てもらうようになったわけです。
総じてみると、役者、バンド、ライブハウス店長と多岐に渡る活動ですね。
店長としてはまだペーペーですけど(笑)。あとは所属アーティストのJiggy Jadeのマネージャーもやっています。
半端ない活動量だ(笑)。
「なんでも屋」みたいなものですよ(笑)。時にはPAもドリンクも受付もやります。器用貧乏なところがあるので、それぞれもっと高めていかないといけませんけどね。
オーナーからの信頼が厚いのだと思います。
だとしたら嬉しいです。今までライブハウスは出る専門で、スタッフとして働くことは一度も考えたことがありませんでした。でもオーナーと話しているうちに「こういう所で働いたら面白いんじゃないかな?」と魅力を感じるようになり、現在、新米ライブハウス店長として奮闘中です。
それでは最後にVOICE FACTORYからのメッセージをお願いします。
ライブハウスって一般的に怖いイメージとか入りにくいイメージがあると思うんです。ここはアットホームな空間を目指していますので、出演者さま、お客さま共に気軽に立ち寄れるような空間を作っていきたいし、それらが1つの大きな輪になればと思っています。僕自身、まだ入って間もないですが、夢と希望、そして明確なビジョンを持っています。真っ直ぐに進みますので、VOICE FACTORYをよろしくお願いいたします!
ストレートで熱いメッセージ頂きました。本日は貴重なお話をありがとうございました。

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