ライブやろうぜ!ステージファイル Vol.27
三軒茶屋 Grapefruit Moon
- Grapefruit Moonについて
- 2000年9月20日にオープン。ライブカフェ&バーというスタンスながら、弾き語りやアコースティックライブはもちろん、ロックやソウル、ジャズのライブも行われるオールジャンルなハコ。圧倒的な内装美、音響システムや照明、ドリンクや料理にもかなりのこだわりで、お洒落な空間でありながらも、そのエネルギーはロック系ライブハウスにも劣らない。三軒茶屋駅から茶沢通りを進み、太子堂中央街を抜けた、落ち着いたエリアで音楽好きならフラッと遊びに行きたくなるお店。
- Grapefruit Moon お問い合わせ
- 三軒茶屋Grapefruit Moon 公式サイト
世田谷区太子堂2-8-12 佐々木ビルB1
TEL:03-3487-8159
営業時間 18:30〜24:00 (L.O 23:40)
ライブバーの中の人に話を聞いてみた〜 三軒茶屋Grapefruit Moon編
このコーナーはライブハウスでバンドをサポートしてくれる「中の人」に突撃インタビューして色々お話を聞いてしまおうというコーナーです。中の人の皆様、ご協力ありがとうございました。
三軒茶屋グレープフルーツムーン 安彦智直氏(左) / 河辺健吾 氏(右・ブッキングマネージャー)
本日は三軒茶屋のライブバー『グレープフルーツムーン』の安彦智直さんにお話を伺います。まずは、スタッフになられた時期と担当のお仕事から教えて下さい。
僕が大学四年の時からなので、今年で7年目になります。仕事内容はブッキング、自分のイベントの企画、照明、料理、ドリンク、受付、掃除、看板書き…。
なるほど、全部ですね(笑)。“ライブバー”ということで、出演者のブッキングなど “ライブハウス”と違うところはありますか?
ライブ出演に関してはライブハウスと思って頂いて構いません。ブッキングには基本5枚のノルマが発生します。イベントによってはノルマ数を調整したり、またはハコ貸し(ホールレンタル、パーティーや結婚式、2次会会場など)で対応しています。
スケジュールを見たところライブやイベントは毎日やっているのですね。
はい、そうですね。こだわりのあるお酒、料理で楽しめるライブハウスです。ステージもフラットなので、お客様と演者さんとの距離が近いのも魅力です。
出演アーティストで多いジャンルはどのあたりですか?グレープフルーツムーンは「アコースティック系」だと聞いたことがありますが…。
オールジャンルですよ。ドラムセットも置いてありますので、ロックなバンドさんもご出演されますし、その翌日にジャズ、ソウルなんてスケジュールもあります。もちろんアコースティック系もやっています。
なるほど、完全にオールジャンルですね。さて、次に安彦さんのことについて教えて下さい。ご出身はどちらですか。
はい。僕は、あざみ野という限りなく川崎寄りの横浜出身で、蛍のいる川が見えるようなところで育ちました。
情緒あふれる素敵な環境ですね。どのような音楽と触れ合ってきたのでしょう?
一番好きな作曲家はワーグナーですね。
すごいところ来ましたね(笑)。あざみ野の美しい風景と噛み合いそうですね。
最近になってからはフィンランドのカルマというデスメタルバンドですね。
中学まではクラッシックで育ち、和田誠さんの『ROCK DRIVE』でHR/HMにハマってしまった。
飛びますね。あざみ野の蛍が霞んできたような…(笑)。
高校の時にドラムをやっていて、スリップノット等が流行ったのでチャレンジしたんですが、難しすぎてできませんでしたね。ツーバスを買うお金もなかったので、一つのペダルを両足で踏んだりしましたが、無理でしたねえ…。
それ、ツーバスより技術要りますよ(笑)。音楽遍歴に妙な気配を感じるのですが、今に至るまで、どのような音楽をやっていたのですか?
好きな音楽歴はちょっと変わっていて…、僕は、幼いころから中学まではクラッシックで育ちました。ずっとピアノをやっていて、中学は吹奏楽部でパーカッションをやっていました。
まずはクラッシック系でスタートですね。
それが中学時代に、ふとしたきっかけで、和田誠さんの『ROCK DRIVE』というHR/HMを紹介するラジオ番組を聴いてから、ガッツリとヘヴィメタルにハマってしまって…。
吹奏楽をやりながらヘビメタを聴いていたと(笑)。
そうですね。そのラジオの影響でハードロック、ハードコア、パンクにハマっていって、高校でパンクバンドをやりました。まだ自分達で曲を作る能力は無かったのでBRAHMANのコピーバンドから始めました。
高校時代からバンドでドラムをはじめるのですね。
はいそうです。その後、大学に入ってからはDTMを始めて、シューゲイザーをやるようになりました。ブライアン・イーノのような環境音楽を作ってましたね。DTMは今も続けていています。
一貫性の無さ、素敵です(笑)。しかし「ポップな歌ものには絡まない」という一貫性はありますね。
ホントそうですね(笑)。でも、Salyuさんなんかも聴きますよ。グレープフルーツムーンに出演してもらったこともあります。
Salyuさん。このお店に似合いますね。もう少し音楽遍歴聞かせてください。まだまだ隠し持ってそうでして…(笑)。
高校時代はいろんな音楽を聴いてました。ヒップホップだとDR.DREなんか聴いてました。とにかくトラックがかっこよくて。トラックだけを聴いていたようなものですね。
BRAHMANのコピーバンドしながらドクター・ドレーを聴いていた。
ちょっと変な人なのかもしれないですね(笑)。他にも、高校三年生くらいからはレゲエも聴いてました。レゲエに関しては特定のアーティストというよりはルーツミュージックの一つとして聴いてましたね。
友達のライブを観に来た、その日のうちに「ここで働かせてください」とお願いしました。
高校生からまずます音楽への造詣が深くなったのですね。
そう思います。その後、大学で中古レコードで働くようになってからは、さらに音楽を聴くようになり、そのあたりからジャズも聴くようになりました。それまではジャズは難しい音楽だと思っていたんですが、素直にかっこいいと思って惹かれていきました。ジャズの中でもハード・バップというジャンルにハマりましたね。
大学四年の時にいよいよグレープフルーツムーンにたどり着くわけですね。
友達のバンドがここ(フルーツムーン)でライブやるというので観に来たのですが、『なんだここは!?』と衝撃を受けました。それまで真っ暗でステージがあって…、というロックのライブハウスしか行ったことなかったので、こんなお洒落なライブハウスというは初めての体験でした。その日のうちに「ここで働かせてください」とお願いしました。
一目惚れですね。ということは、ここは安彦さんの音楽的趣向やセンスと合致するハコとも言えますね。
そういうことでしょうね(笑)。なかなか無いタイプのライブハウスだと思います。中学時代やっていたパーカッションで、たまに出演者さんと一緒に演奏することもありますよ。このキャパに対して、照明と音響というのもかなり自信のある部分ですから、お客さんにも満足していただけると思います。
確かに照明の美しさと音響システムも充実ぶりは圧巻です。周辺は住宅街ですが苦情など来ませんか?
相当な音量が出ていると思いますが、22:30には音出しを終了して頂くように出演者様にはお願いしておりますので、近隣の方々とも仲良くさせて頂いていると思います。
美味しい料理のあるカフェやバーに近い、良質な音楽が溢れるライブハウス。
それでは、グレープフルーツムーンから、お客さんやミュージシャンに向けてメッセージをお願いします。
実際のところ、音楽を聴きにライブハウスに足を運ぶって、CDを聴くとは訳が違って結構な段取りが必要だと思うんです。現場に行って、お金を払って、ライブハウスによってはドリンクを買わなければいけない。要するに、お金と労力が結構かかっちゃうんです。「雨が降ったからきょうはやめよう」なんて思われてしまう事もしばしばあるはずです。
はい、確かにライブハウスに行くまでのステップは多いです。
ただ、そのステップを乗り越えた先には素晴らしい空間が広がっています。グレープフルーツムーンではお酒や料理もこだわっています。イベントに合わせたカクテルを作ったり、料理も定番のグランドメニューも豊富にあります。とくに目当てのライブがなくても、フラッと遊びにくるのにも丁度いい、美味しい料理のあるカフェやバーに近く、良質な音楽が溢れるライブハウスだと思って頂きたいですね。スタッフもみんな気さくです。
料理もかなり美味しいと評判です。お洒落でありながらエネルギッシュなハコだと思いました。ぜひフラッと遊びに来たいと思います。本日はありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。ぜひ気軽に遊びに来てください。
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