ライブやろうぜ!ステージファイル Vol.34
- 代々木Barbaraについて
- 代々木Bogaloo(ブーガルー)を前身に、2013年より「Barbara」として新たな箱の歴史を刻み始める。フロアには生命力を象徴する文様がダイナミックに描かれ、ペイズリーをまとったグランドピアノが響板に抱くは、天空を担う神ATLAS(今はなき国産ピアノメーカー)。ここから巣立ち、疲れたらいつでも帰ってこれる家。そんなBarbaraでは、かつてライブに熱狂した女子高校生が、今はステージを作る側となって、アーティストとともにライブと音楽のすばらしさを届けている。
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渋谷区代々木1-42-4 代々木P1ビルB1
TEL:03-3320-5895
出演バンド・ブッキング受付中(詳細)
ライブハウスの中の人に話を聞いてみた〜代々木Barbara編
このコーナーはライブハウスでバンドをサポートしてくれる「中の人」に突撃インタビューして色々お話を聞いてしまおうというコーナーです。中の人の皆様、ご協力ありがとうございました。

代々木Barbaraスタッフ 外山 あおい氏
本日は代々木Barbaraの外山あおいさんにお話をお伺いします。よろしくお願いします。まずはお店設立の経緯を教えてください。
2005年に前店舗の「Bogaloo(ブーガルー)」としてオープン、2011年に現在のオーナーに代わり、2013年に「Barbara」としてリニューアルしました。震災の時期に、音楽とか娯楽などが不謹慎と言われる時があって、ライブハウスとして続けていくか悩んだらしいんですけど、そんな時こそ音楽が必要だと考えて、店名も変えて心機一転やっていこうと考えたみたいです。
震災は2011年でしたから、二年ほどリニューアルの試行錯誤があったのですね?
私がBarbaraに入る前の話で、時期的なものはちょっと曖昧な部分はありますが、お店自体は、Bogaloo時代を含めると今年7月に11周年を迎えることとなります。
外山さんがお店に入られたのはいつ頃でしょう?
ちょうど1年前です。
グランドピアノも置いてありますよね。ジャンル的にはどのあたりの音楽がメインですか?
グランドピアノがあるのでジャズバンドもいますし、ロックバンドも出演しています。特定のジャンル制限はなく、基本的にオールジャンル・フリースタイルです。
スケジュールをみますと、個性的なバンドやイベントもありますね。
そうですね(笑)。最近は弾き語り系のイベントが多くなっていますが、色んなイベントがあって、他のライブハウスではなかなか見られないようなアンダーグラウンドなイベントもあります。このステージで狭い場合は、ステージを広げて、ダンスなどもできるようにしています。
アンダーグラウンドなイベント、というのは例えばどういうものがありましたか?
ノイズ系のバンドさんも出演されていますし、ストリップショーの様な少し大人なイベントもあります。
弾き語りとノイズとアダルト、まさにオールジャンルですね(笑)。
そうですね(笑)。ごくたまにですが、そのようなジャンルも取り扱っております。
外山さんから見て、代々木のライブハウス事情はどのような感じですか?
新宿、渋谷は競争が激しいと思うんですけど、代々木は「どこどこの経営がやばい」だとか、「つぶれちゃった」というのはあんまり聞かないですね。お向かいにはライブバーもあり、全体的にバーが増えてきたのかな、という傾向を感じます。仕事帰りに飲んで帰るような人にとって、代々木は程よい場所なんじゃないかと思います。
癒しの要素も含んだ街なのかもしれませんね。
都心は都心なんですけど、新宿、渋谷のイメージとは違い、サラリーマン、OLといった一般的な職業の方が多い街だと思います。

「毎日違う状況」っていうのは大変だけど、とても新鮮
外山さんのBarbaraでのお仕事について教えて下さい。
基本的には照明担当ですが、色々やらせていただいています。
なんやかんや全部を受け持つ感じですかね(笑)?
そうですね。本当に様々なお仕事をさせてもらっています(笑)。
照明は学校か何かで勉強されたのですか?
はい、専門学校です。高田馬場のESP出身です。私はコンサートスタッフ科で、その中でも、コースがPA、照明、ローディー、など色々と分かれているんですけど、私はイベント制作とか音響、照明とかライブハウスのことを全て習う「ライブハウスコース」でした。一通り習い、卒業してから、ここに就職しました。
即戦力になりそうです。
現場に出るとまた全然違いました。学校で習ったことはたくさんあるのですが、プロの現場では、状況に応じて、臨機応変に対応することが求められました。学校でも現場研修があったんですが、あくまで体験実習なので「学生だからね…」と大目に見てもらえて、学校にいると学生として守られている感じでしたけど、仕事になるとやはり違うなと。
予想もしないようなバンドも出演するでしょうからね。
はい。でも「毎日違う状況」っていうのは大変ですが、とても新鮮でした。
学校でアンダーグラウンドのイベントは学ばないですもんね。
学ばないですね(笑)。学校では、弾き語りや4ピースバンドで音響や照明の実習をしていましたが、現場では8人とか大所帯のバンドさんも出演します。そんな人数の経験はないし、それが毎日、形態も音楽性も違ったアーティストが出演しますから。
高校時代から、ライブに行くことしか頭になかった
やはり現場は『生物』なのでしょう。では、外山さんが音楽の世界に入った理由を教えてください。
ありきたりで申し訳ないですけど、中学の時まで、ジャニーズが好きだったんです。
いや、これまでの取材でジャニーズ好きなご本人様は初めてですよ(笑)。
あはは(笑)。中学の頃から、母親と一緒にコンサートに行っていたんです。それが、コンサート、というか音楽との出会いですね。その後、高校生になって、ジャニーズ熱はおさまりましたが、今度は、RADWIMPSとかロックバンドのライブに行くようになりました。高校に通いつつ、週に2、3回ライブに行くみたいな感じで、ライブに熱狂していました。
お母さま共々、ハマるタイプなんですね?
これと決めたらとことん極めるまでやるタイプです(笑)。私は静岡出身なんですけど、ライブを観るために名古屋まで片道1時間半くらいかけて行っていましたね。
根性ありすぎです(笑)。高校生なのでお金もなかったでしょう?
学業よりバイト重視で、とにかくライブに行くことしか頭になかったですね。それで、進路を考える時期になって、東京に上京することは決めていたんですけど、これだけ好きなら、音楽の業界に身を投じてもいいんじゃないか、と思って専門学校に通うことにしました。
楽器の経験もあるのですか?
楽器の経験はないです。昔、ピアノを少し習っていたくらいですね。
根本的には舞台というものに興味があるのでしょうね。
はい。裏で演者を支える側に立ちたい気持ちが大きかったんだと思います。

より快適に楽しんでもらえるよう日々工夫を重ねています
ライブハウスの魅力、現場の魅力ってどういう部分だと思いますか? もう長いこと音楽業界も下火だと言われていますが、一方で、外山さんのように現場の魅力を知る人がいるのも事実です。
音楽って目には見えないじゃないですか?食べ物や生活用品ではない、目に見えない、形のない物にお金を払ってもらう事ってとても難しいことだと思うんです。ライブにしても1日2,000〜3,000円かかるし、ビッグなアーティストだともっとかかる。最近は、そこにお金をだす価値を見いだせなくなって、離れてしまった人も多いと思うんです。
いろいろな娯楽が増えて、音楽に対する優先度が下がってきた風潮はありますね。
もちろん、音楽そのものの魅力を伝えていくべきだと思うんですけど、ライブハウスやライブバーなど、音楽空間を提供する場は増えていて、例えば、「この日はこの種類のお酒が飲み放題」とか、「凝ったフードも出しています」とか、「この日はこのジャンル縛りでいきます」など、各店いろいろと工夫をしていると思います。自分たちもそういった現場の工夫や面白さをもっと伝えていくべきなんじゃないかなと思います。魅力が伝われば、ライブハウスから離れて行った人たちも戻ってきてくれると思います。

ライブを見に来てくれた人へ、音楽プラスアルファの心地良さを提供する必要があるということですね。
はい、そう思います。お客さんがパッと見てわかりやすいようなドリンクメニューを作る、ドリンクカウンターが混んでいる時には各テーブルにドリンクメニューを設置する等、ちょっとしたことですが、より快適に楽しんでもらえるよう日々工夫を重ねています。
そういえばドリンクメニューが見づらいライブハウスって多いですね。うれしい気遣いだと思いますよ。それでは最後にBarbaraからのメッセージをお願いします。
この店は100人のキャパシティなんですけど、このキャパシティだからこそ楽しめるものがあります。アーティストとお客さんの距離が近かったり、スタッフとアーティストの距離が近かったり。その距離感をぜひ楽しんで頂きたいです。そして、少しでもバーバラに興味を持ってもらえるよう、月に1度「バーバラ新聞」を発行しています。他にも、アーティスト1人1人のフライヤーをウチで作っています。アーティスト同士をつなげたり、意欲を向上させてゆくライブハウスでありたいと思っています。
多くの人にそのお気持ちが伝わると良いですね。本日は貴重なお話をありがとうございました。
ありがとうございました。
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