ライブやろうぜ!ステージファイル Vol.3
TSUTAYA O-Crest
- 渋谷O-Crest について
- ON AIR EASTから新O-EASTビルに生まれ変わるタイミングでスタートした渋谷のど真ん中のライブハウス。様々な音楽事業を手がけるO-Groupの一角としてライブハウスとしてはもちろん、ロックフェスや音楽エンターテインメント発信地として注目されている。2013年12月よりO-EAST他O-GroupにTSUTAYAがネーミングライツ権を取得。
- 渋谷O-Crest のジャンル
- ジャンルのこだわりはなし!「何でもやります」のスタンスでCrestに自然に根付いてきたものをピックアップして一緒にCrestの文化を築いていきたいとのこと。これまでCrestの出演したバンドで育ってきたバンドを集めて「murofes」(O-Crest店長の名前「室清登」から命名)を開催。アルカラ、グッドモーニングアメリカなどが出演。
- 渋谷O-Crestに出演しよう!
- まずは演奏のデモ音源を送ろう。ほとんどのバンドには1回目のステージ機会がある。「バンドを見る一番の楽しみって、初めて観るバンド。音源よりもライブ・パフォーマンスのほうを見てみたい」とのこと。その後、ブッキング担当とコミュニケーションをとってお互いに先の展開が見えたら次のスッテプへ向けてサポートしてくれる。
- 渋谷O-Crest
- 渋谷O-Group公式サイト
渋谷区道玄坂2-14-8 / TEL:03-3770-1095
ライブハウスの中の人に話を聞いてみた〜渋谷O-Group編
このコーナーはライブハウスでバンドをサポートしてくれる「中の人」に突撃インタビューして色々お話を聞いてしまおうというコーナーです。中の人の皆様、ご協力ありがとうございました。
本日はよろしくお願いいたします。さっそくですが、昨日行われた、室さんが手がけるO-Crest主催の「MURO FES」について教えて下さい。
室氏:よろしくお願いいたします。「MURO FES」はO-Crestに出てくれたことがあるバンド中心の野外フェスで、先週「MURO FES.2013」を開催しました。おかげさまで、10代から20代後半くらいまで若い年齢層にすごく評判が良くて約3,000人のロックファンにご来場いただきました。
トラック搭載型の特設ステージを2台並べて「LEFT STAGE」と「RIGHT STAGE」を交互に切り替えて途切れることなくライブが続くスタイルで、さらに今年は出演オファーが増えていたので、室内ステージ「RAINBOW STAGE」を作ってもらって合計3ステージで開催しました。
O-Crestの店長 室 清登(むろ きよと)氏
純粋なロックフェスに3,000人集まるというのは凄い勢いだと思います!フェスの運営で苦労したことなどはありますか?
ブッキングはもちろん、プロモーション・スポンサー探しから会場でのドリンク売りまで、設営、電源や警備などの専門分野以外はほとんど自分たちでやったのでめちゃくちゃ大変でしたが、特設ステージの野外でもライブハウスみたいな空気感のあるフェスになったと思います。
楽屋もステージのすぐ裏にあるのでお客さんからも見えていて、出演者もステージサイドや客席に出てたりと、一体感がありました。途中夕立にも見舞われて雷とか心配しましたが無事に終えることが出来ました。
(※同会場で、8月にはBAYSIDE CRASH、 9月にはSUNSHINE IDOLIZED FESというO-Groupが参画するフェスの開催も企画された。※残念ながらSUNSHINE IDOLIZED FESは台風により中止)
O-Crestに出演している最近のバンドの傾向について教えていただけますか?
O-Groupには「Crest」と「nest」の2つのライブハウスキャパの箱があるのですが、それぞれ「FUJI ROCK」と「ROCK IN JAPAN」みたいな感じでバンドも客層も分かれているんですよ。Crestの方は、僕がロック系なこともあってストレートなロック・ポップスがメインになっています。
nestは2FにBARもあってお客さんの年齢層が高めになっています。少し前までは「相対性理論」とか「かまってちゃん」、後藤まりこさんの「ミドリ」とか、音楽的なこと以上に雰囲気を持っているアンダーグラウンドっぽいバンドでnestが盛り上がっていましたが、ここ最近はCrestの方で、ガツンと演奏力があってボーカルもまっすぐ出てくるような音楽や踊れるような音楽がきています。1〜2年という短いサイクルでちょっとした流行りが移り変わって交互に回っているような感じで面白いですね。
ロックバンドの歴史を振り返れば、ライブの良いバンドしか残れない。ライブでしか時代を超越することが出来ない。
ステージが多数あるのでそれぞれ独自のカラーをもった音楽が楽しめるのですね。ではライブハウスの店長としてバンドに対してのエールをお願いします。
音源制作自体はパソコンが一台あれば自宅で何でもできちゃう時代になっているけど、ライブでの演奏・パフォーマンスに関してはそう簡単にはいきません。
ロックバンドの歴史を振り返ってもライブが良いバンドが残っています。ライブでどれだけ人の心を動かせるか。やはりライブでないと時代を超越することは出来ないと思っているんです。
そういうライブでのパフォーマンスができる実力をつけて、人気が出て結果がでるには10年かかるかもしれないけど、どれだけ耐えて頑張れるか?!何事もそこじゃないかと思います。自分次第なんじゃないかな。頑張ったらがんばった分、自分の跳ね返ってくると思います。
残るヤツは残っていますよね。最近のバンドだと、アルカラなんかは10年くらいはやっていてZeppでワンマンやるまでビッグになりましたからね。これからも、ライブで人の心を動かせるようなバンドに沢山出てきてもらいたと思います。
O-Crestに出ているバンドは一生懸命やっている熱い想いを感じます。本日はありがとうございました。
そうですね、ありがとうございます。今年の12月で10周年なので、そこに向けて準備段階です。O-Crestならではのおもしろいことできたらと思っています。
O-Groupではライブホール・ライブハウス事業の他音楽事業を幅広く展開している。そこで、続いて、O-Group イベント・音楽事業局/ ライブホール事業部 制作室「染谷直人氏」にご登場頂いた。
O-Groupでは幅広い音楽関連事業を展開されていますが、染谷さんの音楽事業局について教えて頂けますか?
染谷氏:はい、よろしくお願いいたします。O-Groupの各ホール店舗にいたスタッフから何人か集まって「ライブハウスの現場から離れたところで何かはじめよう」ということで立ち上げた事業部で、イベント制作・プロモーション、フライヤー制作などからスタートしました。
その他にも、O-Groupの親会社の渋谷テレビジョンが、渋谷のスクランブル交差点やセンター街の大型ビジョンの運営をしているのですが、O-Groupが音楽事業に特化している強みを生かして、事務所やイベンターの方に音楽プロモーションにこのビジョンを活用していただくような提案もしています。最近はネットワークが広がってきて大きなイベントの広告展開全体の相談も受けるようになってきました。
O-Group イベント・音楽事業局/ ライブホール事業部 制作室 染谷直人氏
あの渋谷の大型ビジョンは渋谷に来たら必ず見ますよね。音楽のPVもよく目にします。染谷さんはO-Group事業にどのようなきっかけでかかわるようになったのですか?
子供の頃から音楽が好きでした。その後、洋楽を聴くようになり、英語に興味をもって語学学校に進みました。そこで出会った友人がO-EASTのBARでバイトをしていたんですよ。実はそれまでライブハウスには興味がなかったんですが、その友人にO-nestのBARのバイトを紹介してもらったんです。それから、昼は学校、夕方からはnestというアルバイト生活がスタートして…。O-Group自体も様々な仕事があるので、あっちこっちの仕事をこなしているうちに今の部署にたどり着いて現在に至ります。
染谷さんの場合はあまり積極的に業界に入りたいという感じではなかったのですね。ライブハウスや音楽業界は憧れの業界です。この業界で生き残るコツのようなものがあれば教えていただけますか?
そうなんです。今でもブッキングをやりたいとか、あんまりアグレッシブに現場に出て行きたいかというと…そうでもないですね。
たまに、そのような相談(音楽業界での仕事について)を受けることもあるのですが、正直、1年くらいでポキっと心が折れちゃう子が多いという印象があります。やはり1年やそこらではなにも身につかないので、それなりの下積み期間は必要だと思います。若いうちはよいですが、そこそこの年齢になるとそれまでの実績やキャリアを問われますから、あまり転職を繰り返すのもどうかな?と思いますし・・・。
たしかに、音楽業界では人づてのネットワークもあったりで転職が多いように思います。会社との関係や上司もこだわりのある人が多かったり難しいところがあるのでしょうか?
不満なことや、自分の主張があるのならどんどん会社や上司にぶつけたってよいと思いますよ。僕は今年で34歳ですが、「流行」についての嗅覚は若い世代の子の方が鋭いです。僕は、仕事では年齢や上下関係を気にしないのですが、そのあたりの「目利き」については若い世代に任せてしまって、僕等やその上の世代は最終的な決定を下すポジションにいるべきだと思います。もう、僕等ももだいぶ感性が鈍っているような気がします(笑)
若い子たちに「今何流行ってんの?」って聞いてその声拾って、さらに僕の上の世代にぶつけていくのも自分の役目だと思っています。
最後にバンドをやっている人たちにもエールをお願いします。
僕は音源制作やセールス周りの業界ではなく、ライブハウスにずっといましたのでよりアーティストに近い目線でいられると思います。「売れるアーティスト」を作り出したい大人の事情もあって、キャリアも技量もないバンドがポンと売れたりすることはありますが、そんなのは一握りの中の一握りです。やはり、先ほどの話と一緒になりますが、辛抱強く頑張る大事だと思います。 音楽業界の不況話やCDが売れないという話ももちろん聞きますが、ライブハウスの現場では、アイデアを持ちだして、会場で手売りするCDの売上向上施策やグッズの物販、ライブハウスに繰り返し足を運んでもらう工夫など積極的に取り組んでいるアーティスト・バンドも沢山います。僕たちはそちらのサイドでバンドのサポートをしていきたいと思います。
先ほどもエントランスでCDを購入されているお客様がいました。私もCDを手にとって歌詞カードもみたいタイプで、ライブを観た後はCDがすごく欲しくなるので会場で買えるというのはうれしいですね!本日はありがとうございました。
はい、こちらこそありがとうございました。
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