ライブやろうぜ!ステージファイル Vol.79
笹塚 Carasawagi BAR
- から騒ぎBarについて
- 笹塚を代表するランドマーク「笹塚ボウル」の2階に2005年オープンしたビアバー「から騒ぎ場-bar-」が、新オーナー石丸達也氏のもと、アコースティックライブやDJ、アートイベントが楽しめるショットバーとして2016年リニューアル。アーティスティックな店内では、音楽とともにオーセンティックバーさながらの本格的なお酒が堪能できる。石丸氏のミュージシャン活動の経験を活かしたお店づくりで、若いアーティストとお客さんの交流の場となり、笹塚からライブ&アートシーンに新しい風を吹き込む。
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- から騒ぎBar公式facebook / Insatgram
渋谷区笹塚1-57-10 笹塚駅前ビル2F
TEL:03-5388-9785
営業時間:18:30〜翌5:00(年中無休)
ライブBARの中の人に話を聞いてみた〜 から騒ぎBar編
このコーナーはライブハウスでバンドをサポートしてくれる「中の人」に突撃インタビューして色々お話を聞いてしまおうというコーナーです。中の人の皆様、ご協力ありがとうございました。
本日は笹塚「から騒ぎBar」オーナーの石丸達也さんにお話をお伺いします。オープンはいつごろになりますか?
お店自体は2005年からありました。2016年に前オーナーから僕が引き継ぐかたちで現在の「から騒ぎBar」にいたります。
どういう経緯で石丸さんが新オーナーになったのですか?
5年くらい前に、店長として働き始めたんですがもともと独立志望だったので、お願いして僕が買い取る形で独立しました。
お店の名前は「から騒ぎBar」のまま、変えなかったのですね。
はい。僕より長く13年に渡って通ってくださっている常連さんもいらっしゃるので、あえて店名は変えずにやっています。でも、内装や業態は変えました。以前は「ビアパブ」に近い感じでしたが、今はショットバー形式で、お酒とともに音楽や会話を愉しんでいただくというコンセプトでやっています。
もともとバーの経営には興味があったのですか?
兵庫の芦屋でミュージックバーをやっていたことがあって、その時からバー経営っておもしろいなぁと思っていました。いつかそういう、人情味があって最高の音楽のあるお店をやりたいというイメージは漠然と持っていましたので、この機会にチャレンジしようと思いました。
近年はライブバーも増え、それぞれ店ごとに特色がありますが、「から騒ぎBar」のこだわりは?
クオリティーの高いお酒が楽しめることですね。ふだんはショットバーとして営業しておりますので、氷もこだわったものをつかっています。フレッシュフルーツカクテルやスピリッツ類もウイスキーも100種類以上と豊富にそろえています。一方、音楽をメインとしたお店の場合、お酒があまり充実していない所も多いですよね。だから自分がお店をやるときは、音楽もお酒も同等に最高のものを提供したいと思っていました。
それを実現するお店ができたのですね?
はい、実力派アーティストのライブとオーセンティックバーさながらの高品質なお酒を堪能していただけます。
音楽イベントやライブのことについて教えてください。主なジャンルは?
フォーク系シンガーソングライターさんのライブがメインです。これまでの流れで傾向はありますが、良いものは何でも取り入れていきたいので、あまり一つの方向に偏らないようにしたいと思っています。DJイベントの時はラッパーさんが入ってきたりもしますよ。
ビル内のテナントですが、音量面などの問題は発生しませんか?
全くないです。音は朝まで出し放題です(笑)。
それは意外(笑)。ライブハウス的な防音設備はなさそうですが大丈夫なのですか?
ボウリングビルですからね。一日中「ガコーン!」と響いていいますし、笹塚ボウルでもよく音楽イベントをやっています。ここのフードコートの店主みんな仲良くしているので理解して頂いています。夏に、窓を開けてハウスミュージックをガンガン流しても、大丈夫です。
うちのスピーカーは人間には聴こえない2.8GHzの高い音が出る
たいへん恵まれた環境ですね。
そう思います。といってもドラムやパーカッション系は自重しています。生の打楽器は音の抜けがすごいですからね。お店の天井も高いので、音の鳴り、反響もいいんですよ。
打楽器は性質上やむを得ないですね。でも、音鳴りがよいのは魅力ですね。
はい、僕もミュージシャンだったので、音環境にはこだわっています。実はうちのスピーカーは、人間には聴こえない2.8GHzの高い音が出るんですよ。ハイパーツイーターというものを研究して機材開発されている方に組んでもらいました。
それはすごい!犬笛の領域を越えてますね(笑)。
実際は、僕も聴こえないのですが(笑)。この周波数は自然界にあるマイナスイオンが出ているらしいです。店内の音楽はカーステレオから流しています。グラフィックイコライザーがついて、ロー(低音)もけっこう出るので重宝しています。
実験マインドあふれるお店です。
あの水槽もLOCALIUM(ローカリウム)というDJブースを水槽にして「ライブ&水槽展示イベント」を行っているアクアリストにお願いして、提供してもらっているものです。
DJブースを水槽に?
はい。10個ぐらい店に並べるので、その美しさ、世界観は半端ないです。絵になりますよ。幻想的な時間を味わっていただけます。
アクアリストが手掛けるDJイベントが観られるライブバー、これは強みですね。
僕は、特殊なことをやっている人に魅力を感じるんですよ。うちの元スタッフで、当店でも、ひとり芝居などを行っている、大石憲という俳優がいるのですが、彼が劇を始めると、ガヤガヤしていた雰囲気が一瞬にして静まり返る。そんな空間を掌握したパフォーマンスをする役者で、そういう独特の表現ができるアーティストは好きですね。
それでは続いて、石丸さんと音楽との出会いについてお聞かせください。
中学時代、僕の家が友人のたまり場になっていたのですが、ある日、エレキギターをもってきたヤツがいて、トレモロアームを「グワングワン」やっているのをみてカッコイイ!と思って。それをきっかけにXとかLUNA SEA、洋楽だとGREENDAY、NIRVANAなどにハマっていきました。
その流れで、バンドやライブ活動に傾倒していくわけですね?
はい。中3の時には、みんなでお年玉をかき集めて、地元大阪の心斎橋ベアーズというライブハウスをホールレンタルしてライブイベントを開いたのが最初ですかね。手書きのチケットを学校で売りました。
お年玉でイベントを打ち、お小遣いからライブのチケットを買う。その衝動と情熱って、すごいなぁ。
そうですね(笑)。それから、おなじく心斎橋にあった、老舗ライブハウスのバハマ、ロケッツにブッキング出演して、自主制作のオリジナルデモテープを販売していました。ビジュアル系バンドだったので写真も売ったりして、黒歴史ですね(笑)。その頃が一番稼いでいたかも(笑)。
それはかなりの人気バンドだと思いますよ。その後、東京に上京してきた?
いえ。それから、20歳のときにアメリカのロサンゼルスに行きました。
音楽武者修行でアメリカに!
いや、迷走していたので自分探しの旅みたいな(笑)。THE BANDやBOB DYLAN、NEIL YOUNGなどを聴きまくっていました。思い立ったらまずは環境から変えなきゃ、という性格で。1年くらいアメリカにいて、帰国後は先ほどの芦屋のミュージックバーを1年半ぐらいやって、それから東京に出てきました。
すごい行動力ですね。東京での活動は?
弾き語りをメインに、バンド組んだり、女性ヴォーカルのサポートをしたり、路上、ライブハウス、ライブバーで活動していました。その活動を続けるうちに、前オーナ時代のこのお店にたどり着いて、現在に至ります。今はお店の運営にかかりきりですけどね(苦笑)。
"から騒ぎBar"は、すばらしい音楽やアートに身近にふれられる「場」
創意あふれる素敵なお店ですね。それでは最後に「から騒ぎBar」からメッセージをお願いします。
僕は、お店自体にお客さんがついていることが理想だと思っています。自分自身がライブ活動をしてきたからわかるのですが、ライブハウスとかライブバーには、ノルマがあったり、そこに集まっている人がみんなミュージシャン仲間や身内だったりすることも多いじゃないですか?
はい、確かに、内輪同士の集まりになりがちなことは否めません。でも、ハコにつくお客さんは理想的ではありますが、なかなか難しいところじゃないでしょうか。
そうですね。でも、日常のなかで、すばらしい音楽やアートに身近にふれられる「場」を作ることは、とても大切なことだと思います。うちでは、お店にお客さんがついていて、「から騒ぎBar」に来れば、美味しいお酒に、いい音楽、いいアートが楽しめるという環境づくりができていると自負しています。
アーティストにとっても、お客さんにとっても、魅力あるお店ということですね。
ですから、ミュージシャンもちろん、おもしろいアート企画やアイデアに興味がある方、芸人さんでも、ひとり芝居でも、何でもかまいません。ライブはノーチャージですが、「投げ銭」システムで、実力でお金を取って頂けるシステムにしています。お客さんとアーティストの文化の交流の場として、ぜひご活用下さい。
これからも笹塚発のライブ&アートシーンを牽引してください。本日はありがとうございました。
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