ライブやろうぜ!ステージファイル Vol.63
高田馬場 四谷天窓.comfort
- 四谷天窓.comfort について
- 四谷天窓の2号店として、ピアノ弾き語りに特化する形で2004年オープン。コンセプトは「鍵盤を主体としたアコースティック」。空を一望する大きな窓から星のかなたへ、時の移ろいを感じる開放的なラウンジ空間。ステージ中央には、文字通り、宙(屋上)から運び込まれた漆黒のグランドピアノが羽を広げる。ライブハウスとして画期的な自然採光でのコンサートやキャンドルナイト、プロジェクター映像投影によるステージ演出も可能。室内禁煙で安心して演奏を楽しめる。
- 四谷天窓.comfort へのお問い合わせ
- 四谷天窓.comfort
[閉店] 新宿区高田馬場 3-4-11 BaBa hatch 5F
TEL:03-5338-6241
出演バンド・ブッキング募集
ライブハウスの中の人に話を聞いてみた〜 四谷天窓.comfort編
このコーナーはライブハウスでバンドをサポートしてくれる「中の人」に突撃インタビューして色々お話を聞いてしまおうというコーナーです。中の人の皆様、ご協力ありがとうございました。
今回は、四谷天窓(3F)に続いて同ビルの5Fにあるグループ店「四谷天窓.comfort」店長の副島桂子さんにお話をお伺いします。オープンはいつになりますか?
2004年に四ッ谷でオープンして、今年(2017年)の4月に13周年を迎えました。2006年に3Fの四谷天窓といっしょに高田馬場(BaBa hatch 5F)に移転してきました。
四谷天窓(3F)と同じくアコースティック・弾き語り専門の箱ですが、.comfortがオープンした経緯は?
ストリートライブやギターデュオがブームになっていた頃、四谷天窓のイベントでピアノ弾き語りのアーティストが増えてきた時期があって、だったら、ピアノに特化したライブハウスを作ってみよう、という流れでオープンしたのがここ「四谷天窓.comfort」 です。
四谷天窓にもピアノがありますが、.comfortとの違いは何でしょう?
四谷天窓はアップライトピアノですが、.comfortにはグランドピアノを導入し、サウンド的にもピアノの生音を響かせるような設計にしました。
ピアノの魅力を最大限に楽しめる環境なのですね。
内装も、四谷天窓(3F)とはガラリと変わって、モダンでシックなデザインになっています。プロジェクターで映像の投影もできるようにしました。
出演はやはりピアノの弾き語りがメインですか?
はい、ピアノ弾き語りのシンガーソングライターを中心に幅広く出演して頂いています。男女比としては女性の比率の方が多いですね。弾き語り以外にもバンド編成やインストやクラシック系の公演もやっています。
少し話が逸れますが、出演者はどのような音楽的経歴をたどってピアノ弾き語りアーティストになるのですかね? ロックバンドならわかるのですが…(苦笑)。
それはいろいろですね(笑)。シンガーソングライターを目指して活動している方、幼少期から(クラシック)ピアノを習っていて、ポピュラーミュージックの方向に進む方、バンド活動からソロに転向するにあたってピアノを選択する、という方も結構いますね。
バンド形態でのライブもできるのでしょうか?
パーカッション、カホンなどを使ったドラムレスのアコースティック形式であればバンドもやっています。ギターアンプとベースアンプも置いてありますので、4人編成のバンドは出来ますね。
同じビル内に系列店があることで相乗効果のようなものはありますか?
普段、3Fの四谷天窓でバンド活動しているボーカリストさんに「ソロの弾き語りでやってみない?」という提案をすることはあります。バンドに慣れすぎて、少しマンネリ化している子を引っ張ってきて、.comfortでソロライブさせると、それがすごく集中した良いライブになることも多くて。その緊張感とメリハリがたまらないですよね。うふふふ(笑)。
副島さん、もしかして『ドS』ですか(笑)
そうなのかな (笑) でも、そういうメリハリってお客さんにもスタッフにも伝わるし、ミュージシャンを含め、新たな一面を発見できると思います。アーティストのお客さんにも喜んでいただいています。
シンガーソングライターは自分一人考えて、悩んで、実行しなければいけない
そういった愛情あふれるサポートが、アーティスト自身の成長にも繋がると思います。
新しいことをやるのって、すごく難しいじゃないですか? 出演者の多くはシンガーソングライターで、彼らが次のステップに進むにも、自分一人考えて、悩んで、実行しなければいけない。そんな時、少しでも外からの刺激があれば、何かしらのきっかけになるのでは、と思って声をかけています。ピアノに限らず、一辺倒に考えずに柔軟にチャレンジできるといいですよね。
.comfort、3階の四谷天窓ともに、多くの弾き語りアーティストに支持されていますが、ライブハウスが増えすぎてブッキングに苦労しているという話を聞くことも多いですが。
ライブハウスの増加による影響そのものは、うちを含め、どこもあると思います。近年はライブハウスだけでなく、バーやカフェ、レストランでもライブ演奏をする所が増えていますから、そういう場所(ライブハウス以外)にも活動範囲を広げているアーティストも多くなっているように感じますね。
とくに、弾き語りはライブハウスの他にも演奏できる所が多いので、なにか差別化が必要ですよね?
アーティストを見ていると「ここ(の箱)でやるときはこの内容(の公演)でやる」というように、演奏する場所によってテーマをもって活動している方が多いですね。そういう意味では、この「四谷天窓.comfort」でライブをすること自体に意味を感じてくれているアーティストが多く、リピーターになってくれています。
リピートしてもらえるってすごく難しいことだと思いますが、支持される.comfortの魅力とは?
例えば「四谷天窓.comfort」には開放的な窓があり、空を一望できるライブハウス、というように、各店舗それぞれ個性のある雰囲気づくりを大切にしています。ピアノを使わないミュージシャンでも、この空間や響きの心地よさを気に入って使ってくれる方もいますよ。
お客さんにとって、とくに所謂ライブハウスが苦手な人たちでも来やすい環境ですよね。
それは、大いにあります。ライブ以外に、ピアノやボーカルの発表会などにも使っていただいて色々な年代の方が来場されています。ピアノは簡単に入れ替えや持ち運びができない楽器なので、そういうところは強みかもしれないですね。せっかく誰々(アーティスト)を見るなら、ここ(四谷天窓.comfort)で聴きたいって言ってくださる方もいらっしゃいます。
それでは続いて副島さんと音楽の出会いについてお聞かせください。
え〜と、具体的に答えるって、ちょっとむずしいですね…(笑)。テレビやラジオから流れてきたものを無意識に聴いていて、音楽って最初はそういう感じで接するものじゃないですか? 普通に生活しているなかではインディーズのような音楽を知る機会もなかなかありませんでしたし。
でも、副島さんがここにいるということは、何かしら音楽の出会いがあったのでは?
私の場合は、気がついたら地元の埼玉にあった「大宮ハーツ」(※現西川口ハーツ)というライブハウスに入り浸っていました (笑)。高校の友だちがライブをする、というきっかけでライブハウスという存在を知り、それがいつの間にか私の生活の中に浸透していたみたいです。
筋金入りの現場主義ですね(笑)。音楽そのものへの興味というのはどうなのですか? お気に入りのバンドとか。
それが、今やたくさんありすぎて、「これだけがどうしても好き!」というアーティストの名前を出すのが難しいですね。あえて言うならば、学生時代はAIR、BLANKEY JET CITYなど濃いものが好きでした。もちろんここに来てからはアコースティック系アーティストも聴きますよ。
ご自身がバンドを組んだり、楽器を演奏したりは?
私は、当時から今に至るまで聴く専門です。
常に客観的スタンスでいられる、とも言えますね。
だと良いですね(笑)。ブッキング、PA、照明もやるので、客観的なスタンスは大事にしたいです。
それでは最後になりますが、四谷天窓.comfortさんからメッセージをお願いします
四谷天窓.comfortは、アーティストの多彩な感覚を受け入れていきます。音楽を楽しみたい人、共に何かを作りたい人、そんな皆さまと一緒に音楽を作り上げていきたいと思っています。
これからも、四谷天窓、四谷天窓.comfort、そしてアコースティックアーティストの活躍に期待しています。
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