ライブやろうぜ!ステージファイル Vol.100
渋谷 DESEO
- 渋谷DESEO について
- 2018年12月21日、20年の歴史とともに桜丘町から道玄坂に移転リニューアルオープンしたGATEWAY系列のライブハウス。「エンターテインメントに関わることはすべて取り入れる」をモットーに、バンドイベント、アイドルライブ、DJからトーク、演劇まで、バラエティに富んだオールジャンルのイベントを展開。高性能なPA&照明演出に加え、どこからも見やすい高さ60センチのステージ、10組を超える出演者のイベントも余裕をもって対応できる2つの楽屋と物販専用スペースを完備。多様性をエネルギーに変えるSHIBUYA発の新しい文化発信を担う。
- 渋谷DESEO へのお問い合わせ
- 渋谷DESEO公式サイト
渋谷区道玄坂2-13-5 ハーベストビルディングB1F
TEL:03-5457-0303
ブッキング・イベント募集中(詳細)
ライブハウスの中の人に話を聞いてみた〜 渋谷DESEO 編
このコーナーはライブハウスでバンドをサポートしてくれる「中の人」に突撃インタビューして色々お話を聞いてしまおうというコーナーです。中の人の皆様、ご協力ありがとうございました。
本日は道玄坂にリニューアルオープンした渋谷DESEO店長の川崎大輔さんにお話をお伺いします。桜丘町のDESEOがオープンした時期と移転の経緯からおしえてください。
1998年12月18日に桜丘町でオープンしてから2018年11月30日まで20年近く運営していました。渋谷再開発で移転することになり、約1カ月お休みして12月21日よりここ道玄坂でリニューアルオープンしました。
桜丘町のビル(第二岡崎ビル)には系列店の渋谷club乙も入っていましたね。なにかと大変だったのではないでしょうか?
そうですね、最初は移転先を探していましたが、DESEOについては親会社であるゲートウェイグループのビルに入ることに決まったので、桜丘町退去前から新店舗の準備ができました。すこしバタバタしましたけど、まあまあスムーズに進みました。
このビルには音楽スタジオも入っていますし、近くにライブハウスやクラブが並ぶ、渋谷でも有数の音楽エリアですね。
はい、ここには同じく桜丘町にあった「DESEO mini with VILLAGE VANGUARD」も一緒に入りました。でもDESEOと同じビルにあった「渋谷club乙」は、移転先が決まらず、一旦お休み中です。
乙はバンドマンからの支持も厚いハコなのでぜひ再オープンを期待したいですね。ところで、川崎さんがDESEOに入られたのはいつごろですか?
2011年に入社して今年8年目です。ブッキングスタッフからはじめて、現在は店長をつとめています。
オープンから20年の歴史をもつDESEOですが、出演アーティストのおもなジャンルはどのあたりでしょうか?
基本的にはオールジャンルです。バンドはもちろん、俳優さんのトークイベントや舞台・演劇、アイドルイベントなどなど、音楽に限らずさまざまなジャンルの方が出演しています。
新店舗はかなり洗練された印象がありますね。リニューアルにあたって変わったところをおしえてください。
桜丘町の時から、大きなライブホールで使っているような高性能なPA機器を使っていますが、今回は、新たに箱の特性に合わせて「RCF」という、イタリアのプロオーディオ機器メーカーのラインアレイスピーカーを追加導入しました。照明にもLEDを取り入れて、ステージ演出の幅が広がりました。
ライブハウスは文化発信の場。人が集まらないと始まらない
ラウンジや楽屋スペースも広く取ってありますね。
桜丘町時代の後期からアイドルのイベントがすごく増えていたので、グッズの物販専用スペースと、広めの楽屋を2カ所用意しました。ステージも桜丘町のときより約20cm高くなったので、小柄なアイドルの方のライブもよく見えると思います。
なるほど、アイドルのパフォーマンスやライブ活動にも使いやすいように設計されているのですね。
はい、おかげさまで出演者からもたくさんのお問い合わせをいただいていて、年内の土日はほとんどスケジュールが埋まっている状況です。
それはすごいですね! 最近はアイドルイベントをブッキングするライブハウスが目立ちますね。
エンターテインメントに関わることはすべて取り入れるスタンスでやっていた結果だと思います。たとえば、アーティストの事務所の方々から「こういうイベントをやりたい」という提案をいただいたものを、うちを通して、よりおもしろいものになるように努めてきました。それが現在のDESEOなのだと思います。
今後は、どのような展開を考えていますか?
前提として、ライブハウスは文化発信の場であるべきだと思います。でも、結局、人が集まらないことには文化発信になりませんよね。その点では、すでに週末は300人くらい、毎月3,000~4,000人のお客さんにご来場いただいています。まずは人を集めることはできた、では次に、ここから「なにを発信していくか?」を模索しているところです。
おっしゃる通りだと思います。人が集まらないと何も始まりません。なかでもとくに盛り上がっているイベントがあれば紹介してください。
最近ライブハウスを席巻しているのは「男子アイドル(メンズアイドル)」ですね。自社打ちのブッキングで、男子アイドルを自分でブッキングしているのは、うちと何社かしかないと思います。
DESEOがブッキングで男子アイドルライブを組んでいる?
男子アイドルは僕が中心になってブッキングしています。自社ブッキングなのでイベンター持ち込みではむずかしいイベントも実現できます。たとえば「チケット代無し、ドリンク代のみのイベント」というのをやっています。
2つの楽屋と物販スペースで、出演者の多いイベントも快適に
それは、出演者にもお客さんにもうれしい企画ですが収益面は大丈夫ですか?
そこは自社でイベントを組むメリットで、イベンターを経由すると収益の問題でどうしてもチケット代は必要ですが、自社イベントであれば集客さえ見込めればドリンク代でまわせる。そうすると、お客さんはチケット代が浮いた分、物販の購入にまわせるので、出演者にもメリットが還元できます。それによって、また出演者さんが、うちでやりたいと問い合わせてくれます。
お客さん、出演者、ライブハウスの全てにメリットが循環するわけですね。
今では、多いときは1日17組のイベントを組んでいます。トータルで150人くらいのお客さんが来てくれます。
17組! 出演者の人数的にも時間的にも可能なのでしょうか?
はい、今回のリニューアルで設けた2つの楽屋と物販スペースによって実現できました。最初は苦戦したところもありますが、徐々になじんで、今はずいぶんこなれてきました。
つづいて、川崎さんと音楽のつながり、出会いをおしえてください。
LUNA SEAを中心としたヴィジュアル系に影響をうけてギターをはじめました。専門学校を卒業した後もフリーターをやりながらバンドをやっていて、地元の本八幡ルート14や池袋CYBERといったライブハウスに出ていました。
というと、バリバリのビジュアル系だった?
まあ、当時のファッションなどはそういう感じだったかもですね。メイクまではしていませんでしたけど。
バンド活動からライブハウス業界に入られた経緯をおしえてください。
フリーターをしながらバンド活動を続けていましたが、バンドが解散したり、年齢も27くらいになったりで、「そろそろヤバイなぁ・・・」と思い始めて(苦笑)。柏ZaX(現・柏ThumbUp)というライブハウスで働き始めて、次に本八幡ルート14、それからここDESEOに入りました。
DESEOが3つめのライブハウスなのですね。DESEOに入ったきっかけは?
本八幡ルート14でやっていた、東京・千葉・神奈川・埼玉のライブハウスから代表1バンドが出演する「関東ギターエロス」というイベントでDESEOの方と知り合ったことがきっかけで、誘ってもらいました。
地元は本八幡ですよね?渋谷のDESEOに移ったのには、なにか理由があったのですか?
その年は東日本大震災があった年で、震災の影響がライブハウスの経営に如実に現れてきました。千葉なので計画停電もあって、人件費も削減していかなければならないような雰囲気になってしまったので、思いきって、自分を必要としてくれるDESEOに移ってきました。
そういうことだったのですね。それがDESEOの新しい発信、次なるステージに上がる原動力の一つになっているのですね。では、最後にメッセージをお願いします。
ライブハウスは最初の1回目がなかなか行きづらいですよね。DESEOでは従来のライブハウスのイメージとはちょっと違ったスタイルで、分煙にもしてあります。ぜひ、1回目のハードルを超えて、遊びにきていただきたいです。最初にお話したように、うちはオールジャンルでイベントをやっていますので、かならず自分好みの音楽、ライブの楽しさが見つけられると思います。この取材をきっかけに、ホームページのスケジュールを見て、気になったイベントに足を運んでいただけたらうれしいです。
ぜひ多くの方にDESEO発のライブ・エンターテインメントを楽しんでもらいたいですね。本日はありがとうございました。
インタビュー特集一覧(バックナンバー)