LiveWalkerが取材したライブハウス・インタビュー特集(全111回・2013年7月〜2020年2月)のアーカイブです。掲載情報は取材当時のものです。

ライブやろうぜ!ステージファイル Vol.57

青山月見ル君想フ

青山月見ル君想について
2004年10月、東京・南青山にオープンした大きな満月のステージをもつライブハウス。初代オーナーが沖縄で見た月を店名の由来とし、ロマンティックで独創的な空間は、音楽ライブはもとより、結婚式やパーティー会場としても評判。2013年から新体制のもと、アジア展開を視野に入れ、台湾に支店「台北 月見ル君想フ」をオープンさせる。才能ある海外アーティストを日本に紹介し、日本の優れた音楽文化を世界に発信する。フルムーンの夜に新しい扉が開かれた。
青山月見ル君想フ お問い合わせ
青山月見ル君想フ公式サイト
港区南青山4-9-1 シンプル青山ビルB1F
TEL:03-5474-8115
ブッキング・イベント企画受付中(詳細

ライブハウスの中の人に話を聞いてみた〜 青山月見ル君想フ編

このコーナーはライブハウスでバンドをサポートしてくれる「中の人」に突撃インタビューして色々お話を聞いてしまおうというコーナーです。中の人の皆様、ご協力ありがとうございました。

青山月見ル君想フ店長 タカハシコーキ氏

青山は「月見ル君想フ」店長のタカハシコーキさんにお話をお伺いします。お店のオープンは何時になりますか?

2004年10月16日にオープンしました。それ以前から、当時のグループ系列店として横浜関内のライブハウス「B.B.ストリート」と音楽スタジオの「月桃荘スタジオ」を運営していました。私は2009年に入ったので、今年で8年目になります。

横浜から東京進出したあたりの経緯を教えてください。

当時のオーナーが別の仕事で、青山付近の事務所物件を探していたなか、ここをみつけて、「ライブハウスに向いているのでは?」という話から、オープンに至ったらしいです。以前から、東京にもライブハウスを作りたいとは思って探していたそうです。

「当時のオーナー」とのことですが、運営体制の変更があったのですか?

元オーナーが、2013年あたりにグループ全体を手放すことになり、「月見ル君想フ」は、当時の店長がオーナーになって、私が店長という新しい体制になっています。関内のお店も、それぞれが独立した店として運営しています。

「月見ル君想フ」というネーミングがとても印象的、というかロマンティックですね。

元オーナーによれば、沖縄の波留間島で見た月からイメージしたそうです。独立後に作った会社名も「株式会社ムーンロマンティックス」ですからね(笑)。

独特の店名でオープン当初から注目されていましたよね。

そうですね、ネーミングのインパクトが大きかったですし、ステージにリアルな月のオブジェクトがあって話題になりました。僕も当時「変わった名前のハコが出来たなあ」と思ったのを覚えています。

「月見ル君想フ」店名の由来は沖縄の波留間島で見た月から

とても洗練されたイメージでした。ライブハウスとしてどのような方向を目指していたのでしょうか?

最初の頃は、店名の由来にもなったように沖縄の月をイメージしたステージに、飲食でも泡盛、オリオンビールや沖縄料理を出したり、割と沖縄色の主張のある店でした。ブッキング内容も当初から、他のライブハウスとは一風違った、ライブハウスというより文化娯楽施設を目指していました。

ライブハウス界隈では女性客に支持されている、というイメージがありますよね。

それは嬉しいですね。女性の方やライブハウスに慣れていない方でも「青山」というだけで気分的に足を運びやすいのではないでしょうか。繁華街や夜道を辿って、地下のライブハウスに行くのとは若干違うようです。

それと、音楽業界関係者やレーベルが推すアーティストが出演している印象もあります。

はい、このあたり(青山)は音楽事務所が多く業界関係者に来てもらいやすい立地のようです。実は、そういう「地の利」みたいなものはオープンしたあとで気づいた事で、それから、こちらからも積極的に声をかけるようになりました。

新人アーティストのプレゼン的なライブにも使ってもらえそうですね。

それもありますね。でも、そこからアーティスト活動のルーティーンとして、定期的に出演してくれる人はなかなかいないですね。特別な機会に使っていただけるのは嬉しいですが、逆に敷居が高く見えてしまうようで…。中には、一度だけ出演した際にアー写だけ撮って、その後は2度と出ないっていう方も過去にはいました(苦笑)。

なるほど。そのあたりも他のライブハウス街にはない青山の特徴ですね。

「地の利」で言うと、もうひとつ、このへんは結婚式がたくさん行われていて、もはや結婚式の街です(笑)。それに気づいて、結婚式や2次会での利用もはじめました。

ライブハウスの結婚式、大いに盛り上がりそうです。

盛り上がりますね。フルバンドで演奏できますし、ライブハウスだからこその独特な演出を提案しています。これが結構評判がよくて、これをきっかけにお店に遊びに来てくれることもあります。結婚のご予定のある方がいましたら、ぜひ、ご相談ください(笑)。

台湾店のオープンで、アジア、世界への扉が開かれたと実感

現在、注力していることや、今後の展開・ビジョンについて教えてください。

1つは海外展開です。独立してから台湾に新しい店をオープンしました。現在のオーナーが、「無理矢理にでも台北にお店を作っちゃえっ」ということで (笑)。これで、アジア、世界への扉が開かれたという実感があります。

それが2014年12月にオープンした「台北月見ル君想フ」ですね。

ここを拠点に、台湾へのツアーももちろんですが、ミュージシャンたちとの交流など、グループ内の展開だけでも、だいぶ視野が広がりました。

今後はアジア、海外展開の方を拡大強化していく予定ですか?

はい、今は、この先にある東南アジアにも目を向けています。といっても国内を疎かにするわけではありません。「いかに日本の良い音楽を輸出するか」ということをテーマに、あわせて海外音楽の輸入の両方をバランスよくやっていきたいと思っています。海外展開となれば、やはり言語の問題が出てくるので、最近ではミュージシャンの英語力を高めるような企画も始めました。

ここで英会話講座的なことをやる?

はい、まだ始まったばかりですが、ミュージシャンやレーベル・マネージメントのための、いわゆる「業界用英会話」の授業を、僕が体当たりでやっています(笑)。

確かに世界でビジネスをするには音楽業界専用の英会話も必要ですね。

そうなんです。マネージャーさんとか海外ツアーに付いて行っても、何もできずに帰ってきたという話を聞いたこともあったので、正にそういう人たちに向けた企画です。

とてもありがたい企画講座ですね。ところで、タカハシ店長もバンドや音楽活動は行っていたのですか?

中学時代からギターをはじめて、昔はバンド活動をしていましたが、気が付いたら「こっち側」の人間になっていました。

音楽への向き合い方としてバンド活動もライブハウス店長も一緒という感じ?

それはちょっと違いますが、僕の場合は店長というより、イベントプロデュースも行うので。表現欲求みたいなものは、そのままイベントの企画などに向けられています。だから、欲求不満になったりもしないで済んでいます。

それでは最後に「月見ル君想フ」からメッセージをお願いします。

当店は、独創性とインパクトをもって、やりたいことを最大限詰め込んでいる箱です。青山には、渋谷や下北沢などのライブハウス街にあるバンドシーンはありませんが、その分「月見ル君想フ」独自の企画を提案、プロデュースしていきます。アーティストさんにもお客さんにも、ぜひ、そういうところに注目してぜひ足を運んでいただきたいです。

インタビュー&ライター 浅井陽(取材日 2017年2月)

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外苑前駅
北青山二丁目にある東京メトロ銀座線の駅。表参道駅の1つ隣にあり、青山通りと東京五輪メインスタジアム(新国立競技場)へつづくスタジアム通りの交差点に位置する。『月見ル君想フ』へは1a出口を出て、南青山3丁目を左折、外苑西通りを下り、スキーショップジローの角を右折してすぐに左折、2軒目の地下。
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