LiveWalkerが取材したライブハウス・インタビュー特集(全111回・2013年7月〜2020年2月)のアーカイブです。掲載情報は取材当時のものです。

ライブやろうぜ!ステージファイル Vol.74

UNDER DEER Lounge

UNDER DEER Loungeについて
2009年2月、渋谷ファイヤー通りにオープンしたライブ&ダイニングバー。結婚式2次会や企業パーティーでの利用を想定したリッチな内装、プロのシェフによるフード&ドリンクなど、DEER(鹿)が見守る極上空間で、平日はDJ、フルバンド対応のライブイベントが楽しめる。VIPルーム、控室、コインロッカー完備。キャパシティ最大200名、貸し切り利用も可能で、気さくなスタッフが丁寧に対応してくれる。公園通りに姉妹店の渋谷UNDERBARを展開。
UNDER DEER Loungeへのお問い合わせ
渋谷UNDER DEER Lounge公式サイト
渋谷区神南1-3-4 神南ビルB1
TEL:03-5728-2655

ライブハウスの中の人に話を聞いてみた〜 UNDER DEER Lounge編

このコーナーはライブハウスでバンドをサポートしてくれる「中の人」に突撃インタビューして色々お話を聞いてしまおうというコーナーです。中の人の皆様、ご協力ありがとうございました。

渋谷UNDER DEER Lounge店長 多田陽一氏インタビュー

本日は渋谷UNDER DEER Lounge店長の多田陽一さんにお話をお伺いします。外観、内装ともにラグジュアリーな雰囲気のライブハウスです。オープン前後の経緯をお願いします。

1号店である渋谷UNDERBARが2004年6月、ここUNDER DEER Loungeが2号店として2008年8月オープンしました。ああ、でも何号店か、という話になると、ちょっと話がややこしいのですが…。

ややこしい、といいますと?

渋谷にGAMEというライブハウスがありますが、実はUNDERBARはGAMEの2号店としてのオープンでした。

渋谷THE GAME代表の齋藤さんには以前取材させて頂きました。(※Vol.21 渋谷THE GAME

その頃、斉藤さんはGAMEのブッキングスタッフで、今のうちの社長がGAMEのマネージャーでした。諸般の都合でGAMEを閉じるときに、マネージャーだったうちの社長が(GAMEの)2号店だったUNDERBARを買い取りました。

なるほど、そうだったのですね。

UNDERBARとして独立後、もっと店を飛躍させたいと思っていたところ、近くに、居抜きの良い空き物件が出てきたので、ここに2号店となるUNDER DEER Loungeをオープンしました。

1号店「UNDERBAR」、2号店「UNDER DEER Lounge」と、名称をアレンジした理由は?

ご覧の通りラウンジ感あふれるフロアだったので、結婚式の2次会やパーティーにも使ってもらえるよう「UNDER Lounge」を予定していたそうです。ところが、大阪に同名の店舗があることがわかったので、店内にある鹿のオブジェにちなんで、DEER(鹿)をつけたのだそうです。

お店を象徴するオブジェですからね。多田さんが入られたのはいつ頃になりますか?

僕は、ここ2号店をオープンして半年くらいで入っていますので、2009年初旬です。

2次会やパーティークオリティの環境でライブ・DJイベント

UNDER DEER Loungeの特徴について教えてください。HPでも結婚式2次会利用での案内が目立ちますね。

はい、結婚式の2次会でご利用が多いのは他店のクラブやライブハウスと違うところです。むしろ、オープン当時は2次会利用が多くてライブイベントは少なかったんですよ。僕が入ってきてからライブイベントが増えてきて、今は、平日がイベント、週末は2次会や企業のパーティーという感じになっています。

結婚式の2次会利用可という箱はみかけますが、レギュラーイベント並にやっているのはUNDER DEER Loungeぐらいかもしれません。

ライブ、DJ系のクラブイベントを展開しつつ、結婚式の2次会にも適した店内のクオリティを維持しています。そのあたりはうちがトップクラスだと思いますよ。

クラブやライブハウスに遊びに来るようなコアな音楽ファンだけではなく、一般のお客さんも来るということですからね。

はい。なので、スタッフはライブハウスの対応と、結婚式の対応、切り替えて両方できるようにスタンバイしています。フードに関しましても、パーティー利用がありますからキッチンを設け、プロのシェフを雇っています。ライブハウスでありながら、一流のフードが堪能できますよ。

フードが美味しいというのも重要なポイントですよね。箱のジャンルとしてはどのあたりがメインになりますか?

僕がヒップホップ界隈やラッパーたちと親しくしている影響と、結婚式用などでジャズ系音楽を取り入れていることもあり、ブラックミュージックが多いですね。

サウンドや音響面についても教えてください。

サウンド面ですか…、正直、細かいところは僕ではよくわからないので技術的な話はできないのですが、PAさんおすすめのTURBOSOUNDのスピーカーを常設しています。PA音響面はUNDERBARとともに、麻布、六本木界隈のクラブ施工に関わっているプロの方に完全にお任せしていています。「最小の設備でありながらバンドもまわせるよう、そしてそのコンセプトをデジタル化したものを詰め込んでいる」というのが特徴です。

では続いて、多田さんと音楽の出会いをお聞かせください。

幼少の頃から、母親が趣味でピアノを弾いていたのと、父親がクラシックのレコードを集めていたというのが出会いかもしれません。その影響から音楽はよく聴いていて、中学の時にはバンドを始めました。

バンド結成時、パートは何を?

ギターです。BOØWYのコピーと同時にオリジナルソングもやり始めました。

中学生でオリジナルとは早熟ですね。

ですよね。僕が勝手に作っていただけですけど、やるんだったら自分の曲やらないと意味がないと思って(笑)。

となると、高校時代も精力的な音楽活動を?

そうですね。高校も音楽活動を続けて、卒業後は高田馬場にある音楽専門学校に入りました。

専門学校での専攻は?

プロのギタリストをめざすミュージシャンコースに入りました。でも、僕のカラーに合わなかったので、学校よりはライブ活動を優先していましたね。

実際に入学してみないとわからないこともありますよね…。

そうなんですよ。その後も、いろいろと事情があって、埼玉でバイトをしながら音楽活動していました。いわゆるフリーターというやつですね。しばらくフリーターをしながら音楽制作やイベントを行っていましたが、UNDER DEER Loungeに入るのをきっかけに上京しました。

音楽は嗜好、お店はビジネスと割り切るように心がけています

UNDER DEER Loungeにはどのようなきっかけで入ることになったのですか?

GAME所有時代のUNDER BARの頃から、ラップや生演奏が入ったヒップホップ、レアグルーヴなどを始め、オールジャンルのDJイベントをやっていたんですよ。

そのイベントのつながりでオーナーさんに誘われた?

いえ、誘われたということではありません。UNDER BARは、ずっとお世話になっていたし、その頃のバイトは音楽とは関係ない仕事で、もっと音楽の中に入り込んでいきたいと思っていましたので、2号店ができたタイミングで「働ける隙間がないですか?」と、僕の方から申し出ました。

完全に音楽の世界に入ってきたのですね。お店の運営サイドになってどうでしたか?

音楽をやることと、店を運営することは全く別物ですね。音楽は嗜好、お店はビジネス、割り切るように心がけています。と言ってもまだまだ切替られない部分もありますが…(苦笑)。

現在も、ご自身の音楽活動をされているのですよね?

はい。でも、時間を作るのがなかなか大変で、お店としてレーベルをやったり、バンドもいくつかリリースしたりしていたのですが、今は休止しています。でも、別の窓口で違うレーベルを始めましたよ。実際は、もっとやりたいんですけど、なかなか簡単にはできないですね…。

多田さんの音楽人生、さらに濃度が増していきそうな気配ですね。それでは最後にUNDER DEER Loungeからメッセージをお願いします。

うちは、オープンマイクイベントのように誰でもステージに立って歌える日もあれば、一流プロミュージシャンが出演する日もあります。アマチュアや初心者の方でもプロと競演できるような間口の広い箱なので、大迫力の演奏に参加してみてはどうでしょうか。

プロと共演できるなんて、贅沢な時間です。

はい。そして、プロの方たちにも新たな情報収集、仕事の輪を広げる場としても有用だと思います。それほどに濃い人脈が集まってきています。気さくなスタッフが揃っているので、気軽に来ていただき、気軽に話しかけてください。

DEER(鹿)が見守るラウンジ感あふれる空間で、すてきな音楽と出会いを楽しんでほしいですね。本日は貴重なお話をありがとうございました。

インタビュー&ライター 浅井陽(取材日 2018年1月)

インタビュー特集一覧(バックナンバー)

バンドメンバー募集のメンボネット ミュージックジョブネット
サウンドペディア
渋谷駅ハチ公口〜ファイアー通り
スクランブル交差点前から始まる「神南一丁目」は大型ファッションビルが連なる繁華街と公共施設が建ち並び、NHKホールや代々木競技場がある「神南二丁目」に続く。UNDER DEER Loungeへは、タワーレコードのある公園通り一番街を通って渋谷消防署のあるファイアー通りへ。周辺は神南らしいセレクトショップや緑の多い落ち着いた環境で、原宿駅と渋谷駅のほぼ中間にある。