ライブやろうぜ!ステージファイル Vol.91
aube shibuya
- aube shibuya について
- 2006年6月、渋谷宇田川町のライブハウス熱帯ゾーン「トウセンビル」5Fにオープンしたライブホール。バンドライブにとどまらない、あらゆる音楽・エンターテイメントに開かれた空間を目指し、メジャーでも作品をリリースするバンド「ジルバ」のベーシストでもある店長・和泉昭寛氏をはじめ、スタッフがアーティストに本音で向き合う『愛のあるライブハウス』を掲げる。aube(オーブ)。系列店に「初台DOORS」
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渋谷区宇田川町4-7 トウセン宇田川町ビル5F
TEL:03-5459-2896
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ライブハウスの中の人に話を聞いてみた〜 aube shibuya 編
このコーナーはライブハウスでバンドをサポートしてくれる「中の人」に突撃インタビューして色々お話を聞いてしまおうというコーナーです。中の人の皆様、ご協力ありがとうございました。
本日はaube shibuya店長でありミュージシャンでもある和泉昭寛さん、制作スタッフの水間幸太郎さんにお話をお伺いします。オープンはいつになりますか?
和泉2006年6月20日のオープンなので、今月(取材日は2018年6月)で12周年です。
12周年おめでとうございます。十二支がひと巡りしたaubeですが、オープンの経緯をおしえてください。
和泉オープン時は、まだ僕はいなかったのですが、弊社代表がマネージメント業務やアーティスト育成をやっていて、アーティストが音楽業界で成り上がっていく場をつくりたい、ということでライブハウス事業をはじめたそうです。
aubeに出演しているアーティストについて、メインのジャンルとしてはどのあたりですか?
和泉オールジャンルです。音楽というエンタメに対して、なんらかの制限を設けないのがうちのポリシーなので、あえていえば、オールジャンルに「特化」しています。
そのスタンスはバラエティに富んだスケジュールにも反映されていますね。
和泉はい、今日はアイドルが出ていますし、ライブハウスだからといって「音楽=楽器を演奏する」という括りにもこだわりません。時代にあわせて、どんなライブにも使っていただきたいです。
水間そういう意味では、ライブハウスというよりも、多目的ホールのスタンスに近いかもしれないですね。僕はバンド担当ですが、アイドルイベントや演劇にも全力で対応しています。
バンドライブ以外にも対応するとなると、音響などの設備面も変わってくるのではないですか?
和泉もちろんです。SNSやニコ動、歌ってみた、踊ってみたなど、ネットで活動されている方のデジタル的なサウンドにも、ハイレベルに対応できる音響システムを構築しています。
ここ最近は、ネット配信やSNSで活動する方も増えていますが、このあたりはどうお考えですか?
和泉これからは「本物」だけが生き残れるでしょうね。そういう意味で、音源もライブもYouTubeで視聴できる時代に、お客さんをライブハウスに動員できるということは、「本物」になる可能性があるわけです。そういう大切な機会に、アーティスト本来の表現ができるよう、しっかり対応したい。その一環としてラインアレイ的なスピーカーも導入しています。
水間スピーカー周りはうちの売りの一つですね。ただ、現場は人と人の関わりがすべて。どんなに新しい機材や設備を入れても、人への対応を大切にしないことには何もはじまりません。
出演者の情熱を応援する「愛」のあるライブハウス
そのあたり、aubeの運営モットーについて、詳しくおしえてください。
水間「愛のあるライブハウス」です。ライブハウスにどれだけ「愛」をかけられるかの勝負。店長がプロのバンドマンなのに対して、僕はミュージシャンとしての経験がほとんどありません。だから、店長がもっと上を目指すにあたって、具体的なノウハウを伝えてくれる一方、僕は、出演者が情熱をかけてやっていることに対して、心の底から応援することに全力を注ぎたい。そのためなら、いくらでも時間をかけますよ。
毎日、数多くのアーティストが出演されていますが、すべてに愛情を注げるものですか?
水間毎日だってやります。彼らに「水間さんに、いい景色みせてやりますよ!」なんて言われたら、僕の方だって、とことんやってあげたくなります。それはスタッフ全員が同じです。
若い人はコミュニケーションを取るのが苦手だ、なんて話も聞きますが?
水間そんなことないですよ。若い子たちはただ心を開いていないだけです。心のふたを開けたらグイグイ来てくれますよ。
心のふたの開け方、なにかコツがあるのでしょうか?
水間コツとかではなくて、自分から心を開けば、相手も心を見せてくれるものじゃないでしょうかね。だから、真正面に座らせて「チ○○」を見せるだけ。あ、下(シモ)の話ではなく、比喩ですから(笑) 。こちらの心をさらけ出す、ということで…(笑)。
はい、承知しています(笑)。内気というか、人と接することが得意でないアーティストもいますよね。
水間もちろん、グイグイ来られるのが苦手な性格の人もいますから、無神経に出しゃばるようなことはしませんので、ご安心ください。でも、正直に接するようにはしています。そういうことも、面と向かい合って話し合って、理解しあうことも大切ですよね。
和泉ちなみに、僕は「愛」をもって説教します(笑)。
本音で向き合って、分かち合える関係でいたい
店長の「愛の説教」についても、ぜひくわしくお願いします。
和泉自分的にはaubeでライブをやった、という事実がある以上、お互いに何を言ってもいいと思っています。ここに何かを求めてきた人と、それをどう思ったかという答え、それらの擦り合わせをとことんやろうぜ、ということです。何もその辺を歩いている人に物申すわけじゃないですし(笑)。
たしかに「事なかれ」では成長もしないし、何も生み出されませんからね。
和泉本音で向き合って、分かち合える関係でいたいし、そこには、水間の言う、aubeのテーマ「愛」をもって、話すことが大切。そうでないと本音で言い合うことなんて出来ません。
そこに愛はあるか。とっても大事なことですが、現実的に、ブッキングなどの日常業務をこなすので精一杯という、現場の葛藤もあったりしませんか?
和泉業務的にこなす、という姿勢ではやりたくないですね。それをやっちゃうと結局、次につながっていかない。
水間やっぱり最終的に「愛」には勝てないですよ。それを全力で実行していくだけ。
改めてライブハウスの役割というものを考えさせられますが、つまるところ、愛によって追求するものって何でしょう?
水間音楽をやるということは、日々「自分の心の中に押し殺している何か」を表現したいという欲求があるわけです。そういう、アーティストの内面性を引き出す手伝いをするのも、僕らの役目の一つじゃないですかね。だからこそ、彼らと「愛」をもって、しっかり向き合う必要があるということです。
僕にとって、音楽は人を幸せにできる最高の手段
それでは続いて、お二人の音楽との出会いをおしえてください。水間さんからお願いします。
水間15才からバンドをはじめました。25才のころに演奏活動はやめて、所属していたレーベルのレコーディング部門に勤め、それからフリーのエンジニアとして活動してきました。
バンドを途中でやめて、エンジニアになった理由は?
水間僕は地元が沖縄なのですが、那覇市に国際通りという繁華街があって、僕らがガキのころはみんなそこで遊んでいました。今や外国人観光客であふれているんですね。ほとんど外国人の街になっています。そこに、もう一度地元のガキたちの居場所をとり戻したい。そのための手段としてライブハウスをやろうと思い、ライブハウスに勤めることを選びました。
そういうことだったのですね。いつか実現される日を楽しみにしています。
水間近いうちにやります。音楽は、人を幸せにするただの手段ではありますが、僕にとっては一番の表現方法で、人を幸せにできる最高の手段です。自分の国に還元したいですし。まずは今頑張っている音楽人を幸せにすることが目標です。
続いて、バンドでも活躍されている和泉さんの音楽の出会いは?
和泉僕は東京出身で、とにかく目立ちたい、かっこつけたい、モテたい!という理由でバンドをはじめました(笑)。今も、エイベックスから作品をリリースしているジルバというバンドでベースを弾いています。
それ以来、バンド一筋でここまできたのですか?
和泉そうなります。18、19歳ぐらいからライブハウスにも出入りしていたから、ライブハウスで育ってきたようなものです。その経験から、どうやってバンド活動を続けていくか、ということも伝えられる年になってきたので。
バンド活動をしながら、aubeの店長もされているわけですね。
和泉はい。「バンドって最高だよね」という人生で、いつのまにか年齢的にも箱のオヤジになっていました(笑)。といっても、自分もまだまだ現役。うちに出演するバンドの子たちとも対等にやりあっていますよ。
なるほど!それが愛ある説教なのですね。それでは最後にaubeからメッセージをお願いします。
和泉音楽は売れることがすべてではないし、義務でやるものでもない。でも、なかなか芽が出ない苦しい状況で、迷いやトライしたいことがあるなら、ぜひ、僕や水間に会いに来てほしい。まずは根本に立ち返って、どうやって楽しく音楽を続けるか、それをどうやってお金に換えていくか、そんなことを本音で、真剣に話せる場所がaubeです。
水間おっしゃる通り。ぜひ会いに来てください。何でもやるし、何でも相談にのります!
悩めるバンドマンの頼れるライブハウス、aubeの今後の展開に期待しています。本日はありがとうございました。
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