実録!ヘルニア手術入院
Round 10 「退院」〜込み上がる解放感〜
興奮してなかなか寝付けない夜を超え、いよいよ退院の朝を迎える。
最後の朝食は、入院初日でそのテイストに驚愕した、クリームソースという名の水溶き小麦粉シチュー。スペシャルランチと運命の再開。ひょっとして病院の自信作なのかい?
朝食後散歩。心配していた低髄液圧症候群の発症もなく、手術二日後に歩いて散歩まで出来る。一時は「カート・コバーン願望」が出てくるほどの苦悶も味わったが、結果的には今後の可能性を広げる選択(手術)だったことを確信。
そんな順調な回復具合を噛み締めながら、長かったヘルニア闘病について思いにふけます。
「好きなことをたくさんやろう。」
これ、今回の入院騒動で心底思ったこと。特に低髄液圧症候群発症の時。寝たきりで何もできないということが、どれだけつらいことか。風邪とかならともかく、それが先行きわからない病気や症状だと、それはもう最悪の事態も考えてしまう。
人間、いつ何ができなくなるかなんてわからない。
ある日突然、自由のきかない身体になった際に、『ああ、自分の人生は安心を追いかけているだけで終わってしまった…』なんて思いがよぎったら、それこそ最悪。
まわりが何と言おうと、それでも健康であれば何にでもチャレンジできる。何回でもチャレンジできる。あぁ、なんて贅沢なことなのだろう。
失敗は不幸ではない。不幸なのは、自分の目指す成功までの道のりが、不安や不満に苛まれているという生き方だ。好きなことなら苦難の道でもストレスより喜びの方が大きい。持続的な喜びを得られるのは好きなことだけ。
そんな大切なことを、あらためて実感するのでありました。
病室に戻り荷物をまとめ病院受付へ。
退院手続きを済ませ出た瞬間、真夏日のような日差しが降り注ぐ外の世界に、ゾクゾクワクワクと解放感が込み上がる。
「普通最高\(^O^)/」
さあ自由だ。今日から自分の足で好きなところに出向き、好きなことにチャレンジし続けられる。当たり前のようで最高の幸せを掴んだのだ。
チャリンコを走らせ自宅に帰宅。自由を手にして最初にやりたいこと、それは…、すぐさま病院に戻って、綺麗なお姉さまとのマンツーマンエロマッサー…、リハビリを受けること! ああ、健康って素晴らしい。
〜おしまい〜
<あとがき>
10回に渡ってお送りした『実録!ヘルニア手術入院』いかがだったでしょうか? このあとがきは、退院から約2ヶ月経過した7月某日に書いております。リハビリの甲斐もあり、腰の痛みはだいぶ無くなってきています。
それでも、雨の日の前は痛みも出ますし、長時間座ったり動いたりは出来ないわけで、まだまだヘルニアと格闘中です。
さて、今回のコラムを読み返すと…、え…、『何にでもチャレンジできる』だって? これ自分が書いたの? らしくないな〜…。
とまあ、元の生活に戻ると心もだれる部分もありますが、それでもやっぱりチャレンジしていることもあります。例えばドラムであれば『小難しい技術を捨てて感じたままにたたく』とかね。
『そんな程度かよ!』と思われるかもしれませんが、要は『培ったものを捨ててみる』ってことです。実際、捨ててみないと見えてこない良さや原点ってあると思うんですよね。それはきっとドラムだけではないのでしょうし…。
というわけで、練習をしないということにチャレンジしております!
何やら大きな間違いをしているような気もしますが…、そこは勇気(?)で乗り切りましょう。それではまた〜!