さあ、今週から三回にわたって『お酒の失敗』について書きなぐっていきます。（初めての方は前回のコラムからご覧ください。）

 

これこそ誰もが消したい思い出がいっぱいあることでしょう。なのに、それでもまた飲んでしまう。でも、そんな調子で飲み続けていたら、委縮した飲みになっちゃいますよ！　そんな飲み方もったいない！　この際、ワタクシが知る尋常でない失敗例を紹介しますので、自分の失敗が如何にかわいいものかと安心してもらい、明日から楽しくハメ外しちゃってください！

 

 

今宵の話は、ワタクシが大学入りたての頃のお話。西友のビニール袋を『カバン』と称して登校していたワタクシですが、とある音楽サークルの飲み会で出会った先輩に、Gさんという人がいました。

 

Gさんは大変な音楽通。それもそのはず、親父さんは、あの「銀○鉄道999」や「キャプテンハー○ック」のアニメ主題歌を歌う超大物歌手。幼いころから音楽と伴に育ったサラブレッドです。ただこのGさん、酒の飲み方はサラブレッドなんてもんじゃありません。完全に野生。

 

 

サークル合宿の際、出発前から飲み散らかしバスで泥酔。ホテルに着くなり後輩T君と宿泊部屋に直行し一杯始まった様子。その後部屋から出てきたのはなぜかGさん一人。何事かと思い部屋を覗くと、そこには、なんということでしょう、全裸のうえに亀甲縛りされた後輩T君が天井から吊るされているではありませんか！

 

後輩T君は、ボクシング経験者のGさんに抵抗できるはずもなく、あえなく酔っ払いの餌食となります。だが、これだけではありません。これを皮切りに合宿三日間は酔っ払いGさんの独壇場。　

 

「花火をしよう！」と提案するGさん。合宿の一大イベントの花火でもあり、カップルが生まれるイベント=花火なのですが、そんなムードもお構いなし。Gさん、後輩T君に「ズボンを脱げ！」と命じます。 ここからはジャイアントとのび太ですね。ズボンもパンツも脱がされた後輩T君は、おしりの穴にロケット花火を入れられ点火、しまいには、花火すら関係なくウナギを入れられてしまう後輩T君…。もう花火でもなんでもありません（笑）。

 

 

まだまだ続くGさんの暴走。『合宿=不眠で飲み続ける期間』という発想のGさん。こんなGさんが居る以上、眠ってしまっては何をされるかわかりません。でも、酒飲んで三日間寝ないって、「軍隊の訓練より厳しいんじゃないか？」ってレベルですよね。もちろん出ますよ、寝ちゃう人。ついに寝落ちしていしまった後輩K君。

 

はい、生贄決定です。その安らかな寝顔に近づけたりますは、チューブわさび！　これを後輩K君の鼻の穴の中に突っ込み、躊躇なく練り出します。　

 

数秒の沈黙後、「ヒィィイ！」という奇声と共に目を覚ます後輩K君！　そして数秒の内に気絶し、またもや寝静まる後輩K君！　そしてまたもや奇声とともに目を覚まし、今度は一目散に洗面所に駆け込む後輩K君！　それをみて笑い転げるGさん。もはや、力道山による猪木いじめを超越してる感は否めません。

 

 

さらに気炎を上げるGさん、今度は女子に絡みたくなった模様。しかし、女子に警戒されているGさんは、部屋を厳重に固められ侵入できません。そこでGさんがとった行動は、なぜか全裸で股間にタンバリンを付け、ホテルの三階にも関わらず外壁伝いに窓から女子部屋への侵入を試みる！　当然の如くあっさりと鍵をかけられたGさんは、その後しばらく全裸股間タンバリンで窓に張り付くことを余儀なくされます…。完全なる変質者ですね。

 

このように、一人の泥酔者によって『寝ちゃダメ！』の冬山合宿と化してしまったのです。

 

ちなみに、前述の後輩K君以外にも寝落ちしてしまった人は数名いるのですが、奇跡的に難を逃れた人たちの意見を聞くと、『天袋（押入れの上の収納）の奥で寝ていた…』『調理場の流しの下で寝た…』『土下座して女子の部屋で寝かせてもらった（←たまに窓からの侵入を試みられます）』といったように、サバイバルさながらの涙ぐましい努力をしていた模様。（やっぱり冬山だ…）

 

 

…と、まあ他にも挙げたらキリがないのですが、このGさん、365日このような行動を繰りかえしている訳です。そして、このGさんのおかげで、ワタクシの泥酔道が深みにハマるのは言うまでもありません。（基準がここからスタートしてしまいましたからね…）

 

しかし、この程度の泥酔ぶりは、まだまだかわいいものでした。四天王でいうところの「あやつは四天王の中でも最弱…」でした。

 

次回は更なる猛者のお話をしたいと思います。とりあえず「朝礼で全裸はいけないぞ！」とだけ言っておきましょう。

 

 

第三夜 お酒の失敗〜＜列伝2＞へ続く