ライブウォーカー バンドマンに捧げる不定期コラム

新装開店!CRバンドマン物語 〜ミュージシャンとギャンブル〜

『ある一定の行為にハマる理由』

 

はじめに、ギャンブルしかり音楽しかり『ある一定の行為にハマる理由』についてお話しましょう。「ハマる原因」をざっくり言えば、『ドーパミン』という、快楽や多幸感を感じる脳内ホルモンのせい、というのが通説。

 

『気持ちいい』と感じてしまったモノには、このドーパミンがドバドバと分泌されちゃって、己の意思を越えて、どうしてもまたやりたくなっちゃうみたいです。まさに脳内麻薬。

 

なにやら危ないもののように思えてしまいますが、実はみなさんも、日常的にこの脳内物質にお世話になっております。だって、気持ち良いものっていっぱいあるじゃないですか? スポーツ、音楽、ゲーム、タバコ、酒、恋愛、そしてセッ○スにいたるまで…、世界中のみなさんがやってるほとんどのことにドーパミンは分泌されてるんですね。

 

 

だから、別にこれと言って悪いものではありません。欲望と(望む)結果が結びついた時に感じる感覚。あくまで日常生活の中でなら、身を滅ぼさない程度の分泌量なんですが、だがしかし、

 

ミュージシャンは別!

 

音楽創作活動となると、その状況は大きく変わってきます。ライブともなれば、緊張と興奮の狭間を行き来しながら、音楽そのものの快感、そして、ステージングという名の“性癖公開プレイ”を堪能。あまつさえ、その行為を、ある者は罵られ、ある者は称賛されるというオマケ付き。

 

これら全ての条件が芸術的なシンクロをしたならば、会場の可愛い子ちゃんorイケメンを“お持ち帰りシンクロナイト”なんてことも。そりゃ、ドーパミン分泌祭りです。とことん快楽…、じゃなくて音楽の道に走っちゃいますよね!?

 

しかも、この“本能のすすめ活動”は、売れれば売れるほどに、さらなる名声、金、異性、という見返りも桁違いに増え続けて行くのです。これは、なんたる事態だ!?

 

 

創造活動を続けることによって、ドーパミン分泌祭りはますますエスカレート!非日常を作り出すということは、 己の体内で麻薬を生成していることと変わりないのです!

 

このドーパミンとやらはやっかいな性質を持ってまして、実は、分泌されればされるほどに、その後、より多くの量のドーパミンが分泌されないと、かつての喜びや快楽を感じにくくなるのです(まさに麻薬!)。

 

ようするに、最初の達成感や成功では満足出来なくなってしまうのですね。これって、創作が活動的になればなるほど、さらなるヤク中になるのと同じこと! こうなってしまった以上、慎ましい日常で己を満たすことなどはもはや不可能。

 

日常生活の中だけでもドーパミン分泌要素があるというのに、ミュージシャンの活動ともなれば、過剰どころか、常軌を逸した量のドーパミンが分泌されているわけです。

 

正直、ミュージシャンは早い段階でドーパミンのオーバードーズなんですよー!

 

いやあ、なにやら危険な匂いがしてきましたねえ…。次回は創作、そして表現というものが如何に諸刃の剣であるか、いかに破滅への誘惑があるかをお話しましょう。

 

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不平等な努力の成果…

 

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企画&ライター 浅井陽 - イラスト担当:こむじむ